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6.262021
強い営業組織をつくる9つのしかけとツール
組織的営業ができるチームとなるための取り組み
営業力を高める第一歩は、体制づくりにあります。この集団になりやすい営業を組織的営業ができるチームとするためには、名ばかりの組織変更をしても意味がありません。体制をつくるということは、同じ目標に向かって、有機的に連携し、効率的に動くためのしかけが不可欠です。
強い営業体制をつくるためのしかけとツールを紹介します。
<目次>
組織・体制の問題点を見える化するしかけとツール
7つのムダの見える化で営業の課題を共有するしかけとツール
営業の正味作業を見える化して生産性を高めるしかけとツール
フロント/ミドル/バック業務を見える化して付加価値を高めるしかけとツール
能力の見える化でスキルアップするしかけとツール
営業の組織能力アップの見える化のためのしかけとツール
営業の責任範囲の見える化でチーム力を高めるしかけとツール
つながりの見える化で全社的営業体制づくりのしかけとツール
キーワードを見える化して戦略を共有するしかけとツール
組織・体制の問題点を見える化するしかけとツール
営業管理というと兎角営業マン個々の売上げ数字だけがクローズアップされ、結果が出ない個人ばかりが問題視されてしまいます。
このような「勘・経験・度胸(KKD)」に代表される従来からの一匹狼的な“個”中心の営業スタイルを改め、組織(チーム)営業が今の時代には求められます。
そこで、まずは暗黙知となっている個々人の組織課題を見える化することから始めます。
組織課題を見える化する手順
付箋紙(カード)を用いて、1枚1件で課題を書きます。
数が出ないようであれば、1人最低10枚というように目標を掲げて、書きます。
次に、ホワイトボードや模造紙を用意して、1枚ずつ声を出して読み上げながら貼り付けていきます。
同じ意見のカードを持っている人がいれば、それも一緒に貼り合わせていきます。
全員のカードが出揃った段階で、グルーピングを行い、課題を整理していきます。
ここから人の考え方や組織の目指すべき方向が見えてきて、個々の営業マンや経営層にも共通した課題認識が生まれます。
できあがった課題を上から提示するのではなく、このような共有する“場”(プロセス)をつくることが重要です。
しかけポイント
①ポストイット(カード)には、現在の課題だけでなく将来の課題も加えます。
②チーム営業にしようとすると、従来のスタイルで成績を上げている営業マンなどからの反対の声も上がりますので、十分な議論が必要です。
7つのムダの見える化で営業の課題を共有するしかけとツール
ムダとは?個々人により認識のずれがあります。
よくいる経営者・管理者は、オフィスにいることがムダで、外に出ていれば良いという考え方の人です。
しかしながら、実際には営業活動は、IT利用などでオフィス内でも顧客とコミュニケーションがとれるようになっています。
逆に1日中外に出ていても顧客との正味商談時間はほんの数十分ということもあります。
そこで、営業活動におけるムダとは何かを再定義します。
営業活動のムダを洗い出す手順
闇雲にムダは何かと問われてもなかなか答えにくいので、製造現場でよく使われる「7つのムダ」の観点から一つ一つ営業現場に置き換えていきます。
例えば、つくり過ぎのムダとは何か?何人かで意見を出し合い、合意の上で定義としてまとめていきます。
同様に、手待ちのムダ、運搬のムダ、加工そのもののムダ、在庫のムダ、動作のムダ、不良をつくるムダという観点からも営業現場に置き換えて、再定義します。
このようにムダの定義を行うことで、人により曖昧であったムダの認識が共有化され、ムダに対する目も肥えてきます。
ムダが見えるようになれば、そのムダを徹底排除して付加価値のある営業活動が可能となってきます。
しかけポイント
①7つのムダを自分達の視点で置き換えます。例えば、「つくり過ぎのムダ」→「やり過ぎのムダ」など。
②ムダの説明には、事例などを加えると分かりやすくなります。
営業の正味作業を見える化して生産性を高めるしかけとツール
いつも遅くまで仕事をしていてもなかなか成果の出ない営業担当。
片や毎日定時で帰るけれども成果の出ている営業担当。
この違いは何でしょうか。
これがよく言われる「動き」と「働き」です。
「動き」はムダ(非正味作業)をたくさん含んでいるため忙しそうに飛び回り残業を繰り返します。
「働き」は付加価値の高い仕事(正味作業)で要領よく効率的に仕事がこなせます。
そこで、営業活動における正味作業と非正味作業を見えるようにします。
正味営業活動とムダの見える化の手順
まずは、営業に関する業務や行動を洗い出します。
一度に思い出そうとすれば抜け洩れが生じますので、1日の要素作業を実績ベースでカードなどに記録していき、それを何日か続ければ組織としての要素作業が洗い出せます。
次に、その一つ一つの要素作業を正味か非正味で区分します。
更に、記録したカードを人ごとやチームごと、曜日ごとなどで集計すれば正味・非正味の割合が見えるようになります。
重要なのは、ここからです。
ムダ(非正味)が見えるようになったことは、改善ニーズが生まれたということです。
このムダを排除して、正味作業の割合を高めていくことで付加価値の高い営業活動が可能となります。
しかけポイント
①分類基準をつくり、分類の考え方を明確にします。
②正味・非正味の分類をした後で割合を出し、ムダ排除を繰り返しながら、その割合の変化をウォッチしていきます。
フロント/ミドル/バック業務を見える化して付加価値を高めるしかけとツール
営業におけるオフィス業務には、
フロント業務(戦略立案、顧客対応、商品開発力などの売上UPなどを目指し、開発していくコア業務)、
バック業務(入出力・処理・集計などの定型作業)、
ミドル業務(手配・調整・確認・分析・管理などフロント業務とバック業務の中間領域)があります。
この中でも意外とウェートの高い領域が、ミドル業務です。
調整待ちなどの手待ち、人による作業のバラツキ、手順や段取りが見えないことによる仕事の停滞などが発生し、本来フロント業務に時間を割きたいところが、意外と裂かれてしまいます。
営業業務の再構成をするための手順
そこで、オフィス業務をまず一覧表で洗い出します。
次に、その工数を記入します。更に、そこからフロント/ミドル/バック業務に分別していきます。
ねらいとするところは、フロント業務のウェートを高めることです。
ミドル業務に選別されたところには、業務の標準化や見える化などの改善手法を用いて、スリム化していきます。
バック業務に選別されたところでは、シェアード化、外注化、システム化等で効率的なコストダウンを狙っていきます。
しかけポイントc
一度に一覧表をつくろうとすると大変で、抜け洩れも生じるので、1日単位や1週間単位など少しずつ洗い出しながら、改善していきます。
能力の見える化でスキルアップするしかけとツール
営業のメンバー全員が同じ能力を持っているということはありません。
新人もいればベテランもいます。
数字に強い人もいれば弱い人もいます。
職場は得手不得手、経験の有無なども含め様々な能力をもった人たちの集まりです。
その能力を最大限に利用し、足りないところは伸ばしていく必要があります。
そのためには、誰がどのような能力を持っているのか「見える化」します。
スキルマップ作成手順
営業の能力の見える化のしかけは、「スキルマップ」です。
営業活動に必要な能力(スキル)を、誰がどのくらい有しているのかマトリックス図で見えるようにしたものです。
能力とは知識+力量です。知識教育をした上で相応の経験をさせ、力量をつけさせて能力を伸ばしていきます。
スキルマップによって各人の能力が見えるようになれば、誰がどの分野の能力を高めていくべきかわかります。
誰にどの領域の知識教育と経験をさせて能力開発をしていけばいいのかが容易にイメージできるようになります。
期限を区切り、いつまでにスキルアップをすべきか意識させることがポイントです。
しかけポイントc
①各スキル項目において一番詳しい人に得意マーク(★)をつけ、主担当指導者として教育にあたります。
②全員が同じスキルを身につける必要はありません。習得すべきスキルとそうではないスキルを一目で見えるようにします。
③期限を区切り意識させます。
④教育用手順書の作成を終えたらマークをつけ、手順書の有無を見えるようにします。
営業の組織能力アップの見える化のためのしかけとツール
個々ばらばらに自分の能力だけを頼りに営業活動を行っていては、売上が個人の能力に左右されてしまいます。
組織の営業力を向上させるためには、組織目標の達成を追求するとともに営業能力(業務遂行能力)を高める必要があります。
営業能力を見える化するためのしかけは、「営業能力向上計画」です。
営業力向上計画立案手順
組織目標を達成するために、どのような営業能力を向上させるべきか、めざす姿(目的)として掲げます。
そして、その目的を達成するためには何をすべきか、何をもって能力の高まりを見るのか、指標(ものさし)を目標として示します。
「営業能力向上計画」は、個人ではなく組織の営業能力を高めるという視点で考えていきます。
他の人の経験が自分の経験となり、それを活かし、能力を向上させていくことをめざします。
そしてその能力が高まっているかどうかを何を以って見るのかなどを明らかにすることが重要です。
また、他部署とどのように組んでいけば組織の営業能力が高まるのか、横との関係をいれていくことがポイントです。
しかけポイント
①組織目標を基に営業能力向上計画を作成します。
②目標は、具体的な計量的・数値的目標にすると人は動きやすくなりますし、成果も測りやすくなります。
営業の責任範囲の見える化でチーム力を高めるしかけとツール
多くの場合は、顧客別や製品・サービス別など、一気通貫で役割分担を行います。
しかし、この独立した役割分担がチームとして協力し合う関係を奪っています。
チームとして組織力を向上させながら営業活動を遂行していくためには、互いが関係性を持ち、協力できる関係となるプロセス別の分担を行います。
サービス×プロセス別タスク管理の手順
誰がどのプロセスを担当するのか、その責任範囲を見える化するためのしかけは、「サービス×プロセス別タスク管理」です。
縦軸を製品・サービス、横軸をプロセスとして区分をし、各枠毎に業務遂行の責任者を割り当てて明示します。
枠には実施しなければならないタスクカードを貼り付け、その担当者が責任をもって営業活動を行います。
思い切って営業活動をプロセス別にすることがポイントです。
プロセスの中で区切りのよいところで役割を変えます。
また、枠の境界部分において、誰が応受援することができるのかを一見して分かるようにしておきます。
そうすることで、チームとして協力しながら営業活動を遂行することができます。
しかけポイント
①責任者が一見して識別できるように、色をつかって見えるようにします。
②作成者とレビュー者を別に、かつ、全員が作成者でありレビュー者であるというように配置します。お互いの仕事に関わりを持ち、意見が活発になり、チーム化が進みます。
つながりの見える化で全社的営業体制づくりのしかけとツール
組織では機能と機能が連携して仕事をしています。
各部門ばらばらに自分たちの業務をこなすだけでは他者と差別化した製品・サービスを提供することはできません。
お客様のニーズに応えていくためには、お客様と直接顔を合わせる営業を行う部門だけではなく、組織一体となって営業活動を行うことが必要です。
営業フロー型業務分掌作成手順
組織の機能のつながりを見えるようにするためのしかけは、「営業フロー型業務分掌」です。
縦軸には営業の流れに沿った一連のプロセスを、横軸には関連する各部門を表記します。
そのプロセスに対してどの部門がどのような役割と責任を担っており、他部門とどのようにつながっているのか、その関係性を見える化したものです。
自社部門だけではなく、お客様も含めたつながりを見えるようにすることがポイントです。
お客様も一緒になって製品・サービスの創造を行うことで、よりニーズに合ったものを提供できるようになります。
また、部門から部門に仕事が渡るとき、どのような帳票によって情報が引き渡されるのかも見えるようにします。
次の部門でどのような業務を行うのか意識して業務を行うようになります。
しかけポイント
①お客様を含めたつながりが見えるようにします。
②仕事が渡るときの帳票名を明記します。
キーワードを見える化して戦略を共有するしかけとツール
戦略の策定は、全社経営戦略からマーケティング戦略に落とし込まれます。
しかし、その策定プロセスが営業企画部主体で現場と乖離した机上でつくられたものであれば、その戦略はなかなか実践にいかされません。
戦略キーワードの作成手順
そこで、立案された戦略を現場に落とし込むためには、戦略の要となる考え方をキーワード化して、共有していきます。
キーワードは、上から一方的に示すだけでなく、公募することにより、戦略に対する思いや理解を深めることもできます。
また、キーワードは、一般にある言葉だけではなく、他にない組織オリジナルの造語を入れる場合もあります。
造語は、それだけでは意味が分かりにくいので、その意味を伝える定義文もあわせて入れます。
戦略とともにキーワードも示し、各職場の戦略展開に向けた行動計画や重点施策にこのキーワードを盛り込ませるようにします。
行動計画や重点施策の中でのキーワードの使われ方から、戦略の要となる考え方の理解の程度を知り、戦略展開の実効性を高めるフォローをします。
行動計画や重点施策が今までどのように違うのかをキーワードを交えて、部下へ説明させることによって、戦略的行動を末端まで促すことができます。
しかけポイント
①戦略の要となる考え方を印象づけるインパクトある言葉にします。
②キーワードを使って行動計画や重点施策が今まで異なる点を強調させます。
営業管理というと兎角営業マン個々の売上げ数字だけがクローズアップされ、結果が出ない個人ばかりが問題視されてしまいます。
このような「勘・経験・度胸(KKD)」に代表される従来からの一匹狼的な“個”中心の営業スタイルを改め、組織(チーム)営業が今の時代には求められます。
そこで、まずは暗黙知となっている個々人の組織課題を見える化することから始めます。
組織課題を見える化する手順
付箋紙(カード)を用いて、1枚1件で課題を書きます。
数が出ないようであれば、1人最低10枚というように目標を掲げて、書きます。
次に、ホワイトボードや模造紙を用意して、1枚ずつ声を出して読み上げながら貼り付けていきます。
同じ意見のカードを持っている人がいれば、それも一緒に貼り合わせていきます。
全員のカードが出揃った段階で、グルーピングを行い、課題を整理していきます。
ここから人の考え方や組織の目指すべき方向が見えてきて、個々の営業マンや経営層にも共通した課題認識が生まれます。
できあがった課題を上から提示するのではなく、このような共有する“場”(プロセス)をつくることが重要です。
しかけポイント
①ポストイット(カード)には、現在の課題だけでなく将来の課題も加えます。
②チーム営業にしようとすると、従来のスタイルで成績を上げている営業マンなどからの反対の声も上がりますので、十分な議論が必要です。
7つのムダの見える化で営業の課題を共有するしかけとツール
ムダとは?個々人により認識のずれがあります。
よくいる経営者・管理者は、オフィスにいることがムダで、外に出ていれば良いという考え方の人です。
しかしながら、実際には営業活動は、IT利用などでオフィス内でも顧客とコミュニケーションがとれるようになっています。
逆に1日中外に出ていても顧客との正味商談時間はほんの数十分ということもあります。
そこで、営業活動におけるムダとは何かを再定義します。
営業活動のムダを洗い出す手順
闇雲にムダは何かと問われてもなかなか答えにくいので、製造現場でよく使われる「7つのムダ」の観点から一つ一つ営業現場に置き換えていきます。
例えば、つくり過ぎのムダとは何か?何人かで意見を出し合い、合意の上で定義としてまとめていきます。
同様に、手待ちのムダ、運搬のムダ、加工そのもののムダ、在庫のムダ、動作のムダ、不良をつくるムダという観点からも営業現場に置き換えて、再定義します。
このようにムダの定義を行うことで、人により曖昧であったムダの認識が共有化され、ムダに対する目も肥えてきます。
ムダが見えるようになれば、そのムダを徹底排除して付加価値のある営業活動が可能となってきます。
しかけポイント
①7つのムダを自分達の視点で置き換えます。例えば、「つくり過ぎのムダ」→「やり過ぎのムダ」など。
②ムダの説明には、事例などを加えると分かりやすくなります。
営業の正味作業を見える化して生産性を高めるしかけとツール
いつも遅くまで仕事をしていてもなかなか成果の出ない営業担当。
片や毎日定時で帰るけれども成果の出ている営業担当。
この違いは何でしょうか。
これがよく言われる「動き」と「働き」です。
「動き」はムダ(非正味作業)をたくさん含んでいるため忙しそうに飛び回り残業を繰り返します。
「働き」は付加価値の高い仕事(正味作業)で要領よく効率的に仕事がこなせます。
そこで、営業活動における正味作業と非正味作業を見えるようにします。
正味営業活動とムダの見える化の手順
まずは、営業に関する業務や行動を洗い出します。
一度に思い出そうとすれば抜け洩れが生じますので、1日の要素作業を実績ベースでカードなどに記録していき、それを何日か続ければ組織としての要素作業が洗い出せます。
次に、その一つ一つの要素作業を正味か非正味で区分します。
更に、記録したカードを人ごとやチームごと、曜日ごとなどで集計すれば正味・非正味の割合が見えるようになります。
重要なのは、ここからです。
ムダ(非正味)が見えるようになったことは、改善ニーズが生まれたということです。
このムダを排除して、正味作業の割合を高めていくことで付加価値の高い営業活動が可能となります。
しかけポイント
①分類基準をつくり、分類の考え方を明確にします。
②正味・非正味の分類をした後で割合を出し、ムダ排除を繰り返しながら、その割合の変化をウォッチしていきます。
フロント/ミドル/バック業務を見える化して付加価値を高めるしかけとツール
営業におけるオフィス業務には、
フロント業務(戦略立案、顧客対応、商品開発力などの売上UPなどを目指し、開発していくコア業務)、
バック業務(入出力・処理・集計などの定型作業)、
ミドル業務(手配・調整・確認・分析・管理などフロント業務とバック業務の中間領域)があります。
この中でも意外とウェートの高い領域が、ミドル業務です。
調整待ちなどの手待ち、人による作業のバラツキ、手順や段取りが見えないことによる仕事の停滞などが発生し、本来フロント業務に時間を割きたいところが、意外と裂かれてしまいます。
営業業務の再構成をするための手順
そこで、オフィス業務をまず一覧表で洗い出します。
次に、その工数を記入します。更に、そこからフロント/ミドル/バック業務に分別していきます。
ねらいとするところは、フロント業務のウェートを高めることです。
ミドル業務に選別されたところには、業務の標準化や見える化などの改善手法を用いて、スリム化していきます。
バック業務に選別されたところでは、シェアード化、外注化、システム化等で効率的なコストダウンを狙っていきます。
しかけポイントc
一度に一覧表をつくろうとすると大変で、抜け洩れも生じるので、1日単位や1週間単位など少しずつ洗い出しながら、改善していきます。
能力の見える化でスキルアップするしかけとツール
営業のメンバー全員が同じ能力を持っているということはありません。
新人もいればベテランもいます。
数字に強い人もいれば弱い人もいます。
職場は得手不得手、経験の有無なども含め様々な能力をもった人たちの集まりです。
その能力を最大限に利用し、足りないところは伸ばしていく必要があります。
そのためには、誰がどのような能力を持っているのか「見える化」します。
スキルマップ作成手順
営業の能力の見える化のしかけは、「スキルマップ」です。
営業活動に必要な能力(スキル)を、誰がどのくらい有しているのかマトリックス図で見えるようにしたものです。
能力とは知識+力量です。知識教育をした上で相応の経験をさせ、力量をつけさせて能力を伸ばしていきます。
スキルマップによって各人の能力が見えるようになれば、誰がどの分野の能力を高めていくべきかわかります。
誰にどの領域の知識教育と経験をさせて能力開発をしていけばいいのかが容易にイメージできるようになります。
期限を区切り、いつまでにスキルアップをすべきか意識させることがポイントです。
しかけポイントc
①各スキル項目において一番詳しい人に得意マーク(★)をつけ、主担当指導者として教育にあたります。
②全員が同じスキルを身につける必要はありません。習得すべきスキルとそうではないスキルを一目で見えるようにします。
③期限を区切り意識させます。
④教育用手順書の作成を終えたらマークをつけ、手順書の有無を見えるようにします。
営業の組織能力アップの見える化のためのしかけとツール
個々ばらばらに自分の能力だけを頼りに営業活動を行っていては、売上が個人の能力に左右されてしまいます。
組織の営業力を向上させるためには、組織目標の達成を追求するとともに営業能力(業務遂行能力)を高める必要があります。
営業能力を見える化するためのしかけは、「営業能力向上計画」です。
営業力向上計画立案手順
組織目標を達成するために、どのような営業能力を向上させるべきか、めざす姿(目的)として掲げます。
そして、その目的を達成するためには何をすべきか、何をもって能力の高まりを見るのか、指標(ものさし)を目標として示します。
「営業能力向上計画」は、個人ではなく組織の営業能力を高めるという視点で考えていきます。
他の人の経験が自分の経験となり、それを活かし、能力を向上させていくことをめざします。
そしてその能力が高まっているかどうかを何を以って見るのかなどを明らかにすることが重要です。
また、他部署とどのように組んでいけば組織の営業能力が高まるのか、横との関係をいれていくことがポイントです。
しかけポイント
①組織目標を基に営業能力向上計画を作成します。
②目標は、具体的な計量的・数値的目標にすると人は動きやすくなりますし、成果も測りやすくなります。
営業の責任範囲の見える化でチーム力を高めるしかけとツール
多くの場合は、顧客別や製品・サービス別など、一気通貫で役割分担を行います。
しかし、この独立した役割分担がチームとして協力し合う関係を奪っています。
チームとして組織力を向上させながら営業活動を遂行していくためには、互いが関係性を持ち、協力できる関係となるプロセス別の分担を行います。
サービス×プロセス別タスク管理の手順
誰がどのプロセスを担当するのか、その責任範囲を見える化するためのしかけは、「サービス×プロセス別タスク管理」です。
縦軸を製品・サービス、横軸をプロセスとして区分をし、各枠毎に業務遂行の責任者を割り当てて明示します。
枠には実施しなければならないタスクカードを貼り付け、その担当者が責任をもって営業活動を行います。
思い切って営業活動をプロセス別にすることがポイントです。
プロセスの中で区切りのよいところで役割を変えます。
また、枠の境界部分において、誰が応受援することができるのかを一見して分かるようにしておきます。
そうすることで、チームとして協力しながら営業活動を遂行することができます。
しかけポイント
①責任者が一見して識別できるように、色をつかって見えるようにします。
②作成者とレビュー者を別に、かつ、全員が作成者でありレビュー者であるというように配置します。お互いの仕事に関わりを持ち、意見が活発になり、チーム化が進みます。
つながりの見える化で全社的営業体制づくりのしかけとツール
組織では機能と機能が連携して仕事をしています。
各部門ばらばらに自分たちの業務をこなすだけでは他者と差別化した製品・サービスを提供することはできません。
お客様のニーズに応えていくためには、お客様と直接顔を合わせる営業を行う部門だけではなく、組織一体となって営業活動を行うことが必要です。
営業フロー型業務分掌作成手順
組織の機能のつながりを見えるようにするためのしかけは、「営業フロー型業務分掌」です。
縦軸には営業の流れに沿った一連のプロセスを、横軸には関連する各部門を表記します。
そのプロセスに対してどの部門がどのような役割と責任を担っており、他部門とどのようにつながっているのか、その関係性を見える化したものです。
自社部門だけではなく、お客様も含めたつながりを見えるようにすることがポイントです。
お客様も一緒になって製品・サービスの創造を行うことで、よりニーズに合ったものを提供できるようになります。
また、部門から部門に仕事が渡るとき、どのような帳票によって情報が引き渡されるのかも見えるようにします。
次の部門でどのような業務を行うのか意識して業務を行うようになります。
しかけポイント
①お客様を含めたつながりが見えるようにします。
②仕事が渡るときの帳票名を明記します。
キーワードを見える化して戦略を共有するしかけとツール
戦略の策定は、全社経営戦略からマーケティング戦略に落とし込まれます。
しかし、その策定プロセスが営業企画部主体で現場と乖離した机上でつくられたものであれば、その戦略はなかなか実践にいかされません。
戦略キーワードの作成手順
そこで、立案された戦略を現場に落とし込むためには、戦略の要となる考え方をキーワード化して、共有していきます。
キーワードは、上から一方的に示すだけでなく、公募することにより、戦略に対する思いや理解を深めることもできます。
また、キーワードは、一般にある言葉だけではなく、他にない組織オリジナルの造語を入れる場合もあります。
造語は、それだけでは意味が分かりにくいので、その意味を伝える定義文もあわせて入れます。
戦略とともにキーワードも示し、各職場の戦略展開に向けた行動計画や重点施策にこのキーワードを盛り込ませるようにします。
行動計画や重点施策の中でのキーワードの使われ方から、戦略の要となる考え方の理解の程度を知り、戦略展開の実効性を高めるフォローをします。
行動計画や重点施策が今までどのように違うのかをキーワードを交えて、部下へ説明させることによって、戦略的行動を末端まで促すことができます。
しかけポイント
①戦略の要となる考え方を印象づけるインパクトある言葉にします。
②キーワードを使って行動計画や重点施策が今まで異なる点を強調させます。
Copyright © 改善と人材育成のコンサルソーシング株式会社