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1.152020
書類の整理術~効率を高める書類の整理・収納・表示のテクニックとコツ
書類整理の問題を解決する整理整頓の進め方とポイント
スッキリしていて綺麗な整理をしているのに楽にならないという方におすすめの書類整理の方法とコツを紹介します。書類は、仕事に必要な書類を使いやすさ基準で整理し、効率とミス防止につながる収納・表示方法すると劇的に変わります。書類整理のテクニックを整理方法・収納方法・表示方法などに分けて説明します。
<目次>
書類の整理における問題
仕事を基準とした書類の整理とは
・業務機能の棚卸し
・業務分類表をつくる
書類の整理のテクニックとコツ
・書類の整理基準をつくる
・収納場所を決める
・収納のポイント
・戻させる仕掛けづくり
・書類名の決め方のポイント
・表示の仕方のポイント
書類・ファイルの整理整頓の仕方
書類の整理における問題
まず、書類の整理における問題について、考えてみましょう。
仕事をしていると、書類がどんどん増えていきます。それらの書類を取り出しやすくするために、書類の整理を行います。
しかし、実際には、引き出しに入れた記憶はあっても、なかなか見つけられなかったり、そもそも、どこに置いたのかわからなくなってしまっていたりすることがあります。
必要な書類を、すぐに取り出すことができないのです。これが、書類の整理における問題です。
必要な書類をすぐに取り出すことができない原因
それでは、必要な書類を、すぐに取り出すことができない原因は何でしょうか?
1つは、必要な書類と不必要な書類の混在が原因です。
全般的に、書類が多すぎて、どれが必要で、どれが不必要なのかがわからないということがあります。
また、古い書類と、新しい書類が混在していて、最新の書類がわからないということがあります。
1つは、保管が曖昧なことが原因です。
保管方法、保管場所が明確でなく、必要な書類を探さなければならなかったり、探すのに時間がかかったりします。
書類などに表示がなく、中身をみないとわからなかったり、表示が具体的でなくわかりにくいこともあります。
また、書類やデータがあるから書類の整理しているだけというように、そもそも、仕事を基準とした書類の整理になっていないことが大きく影響していることもあります。
仕事を基準とした書類の整理とは
仕事を基準とした書類の整理にするためには、自分たちの仕事を見つめることが最も重要です。紙であれ、電子データであれ、なぜ、書類が発生するのかを考えると、それは、仕事が存在するからです。仕事がなければ、仕事のアウトプットである書類は発生しません。何が自分たちの仕事であるのか、その仕事に必要な書類は何であるのかを明らかにします。そのために、まず、業務の棚卸しを行います。
業務機能の棚卸し
会社という組織があります。会社には、政策樹立機能、直接機能、管理間接機能、補助経営機能などの機能があります。機能別に組織がつくられていることもあれば、1つの部門が多くの機能を担っていることもあります。
まず、会社に、どのような部門があるのかを明確にします。
次に、それぞれの部門が、どのような機能を担っているのかを抽出します。部門には、その部門の使命や役割を果たすための主要業務と、方針管理や教育などの全体業務があります。それらすべてを抽出することが必要です。
次に、抽出した業務について、具体的に実施する業務に細分化したものを明らかにします。このとき、属人化している業務についても明確にします。
業務分類表をつくる
業務の棚卸しを行い、業務を体系化すると、各部門の仕事が明らかになります。それをもとに、業務分類表を作成します。
まず、部門内の機能を明らかにして、大分類とします。
次に、各機能の業務種類を明確にして、中分類とします。
そして、中分類に挙げた業務について、プロセスがある場合は、プロセス順に、入手・作成・保管などの必要がある書類を分類します。また、プロセスが明確でない場合は、領域や対象ごとに、必要な書類を分類します。これを小分類とします。
そして、大分類、中分類、小分類とNo.を振り、コードで管理できるようにします。
業務分類表をもとに、書類の整理のしくみを確立します。
全社で、業務分類表を作成すると、全社の業務を体系化することになるので、異なる部門で同じような書類を作成したり、同じ書類を保管していたりする、重複した管理を無くすことができます。また、フォーマットには、全社統一の様式番号を振ることにより、書類の管理がしやすくなります。
また、どの部門が、何を持っているのか、書類の所在が明確になり、必要なときに必要な書類を入手しやすくなります。
書類の整理のしくみを確立することで、書類の共有化と活用ができるようになり、それによって知的生産性を向上することができます。
書類の整理のテクニックとコツ
みなさんの職場では、どのように、資料が置かれていますか。
資料の収納場所が明確でなく、使いっぱなしの状態で、必要なものをあちこち探し回ることが度々あるなど、
どこに、何を置くかを、決められていない職場では、このようなムダな行動が繰り返されています。
書類の整理基準をつくる
書類の整理をするためには、まずは、書類の整頓基準を作成します。
資料や書類など、それぞれの整頓の基準を定めます。
保管場所、置く形態、表示方法などを明確にします。
書類のライフサイクルの段階に応じた、単位毎に整頓の基準を定めます。
保管場所は、使う頻度と比例して、使う場所からの距離で決めます。
頻度が高いほど、使う場所の近くにします。
置く形態は、扱いやすさ、保管しやすさを考えて決めます。
必要な書類だけを取り出せるようにします。
表示は、探しやすさと戻しやすさを、配慮します。
キャビネットなどの扉を無くして、必要なものを、すぐに探し出せるような改善もします。
ムダのない作業をするための、最適な、収納場所、収納方法、表示を決めましょう。
収納場所を決める
紙資料の収納場所を決めるときのポイントは、
使う頻度と、使う場所から収納場所までの距離を、比例関係で考えることです。
頻度が高いモノほど、近くに置きます。頻度が低いモノは、遠くに置きます。
電子データやファィルなどの保管場所も、
頻度が高いモノほど、アクセスしやすい環境に置きます。頻度が低いモノは、保管コスト、安全性などを優先した収納方法をします。
それでは、紙資料の収納場所について、具体的に説明します。
まず、机です。
机の上には、現在、使用しているものを置きます。
机の引き出しには、専用的に、常に使用しているものを置きます。
職場の棚やキャビネットには、
日常的に使用する共用のものを置きます。
同一フロアの棚やキャビネットには、
定期的に使用する共用のものを置きます。
別書庫には、
年に数回のみ使用するものや、使用しないものを置きます。
また、法規制などによって、保持が求められているものを置きます。
収納のポイント
次は、収納方法のポイントです。
紙書類は立てて置きます。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、机の上や棚に、ひどいところは、床に、平積みした書類の山ができていることはよくあります。
見やすく、取り出しやすく、戻しやすいようにします。
同一業務、プロジェクトごとにまとめて置きます。
基本的に、紙資料でも、電子データでも同じ考え方で行います。バラバラでは、間違いなく、探すことになってしまいます。
仕事の流れや、時間の経緯に沿った、収納方法にします。
連番順、日付順、プロセス順など、収納方法に連続性を持たせます。
左から右へ、上から下への流れとします。パソコン内の電子データも同様です。階層をつくっていきます。
戻させる仕掛けをつくります。
使った人が誰であっても、戻させるようにします。
収納場所をつくり整頓させても、すぐに散らかったり、決められた所と違うところに、書類が置かれることがあります。
それは、使った書類を戻させる改善が、できていないからです。整頓が保てるような仕掛けにします。
戻させる仕掛けづくり
戻させる仕掛けをご紹介しておきます。
使ったモノを戻させることに、有効なのが、名札と通し番号です。
まず、置いてある書類に、通し番号を表示します。
書類を持ち出しても、どの書類が抜けているかわかるようにします。
書類を持ち出すときは、名札を置き、誰が持ち出したかわかるようにします。
これで、誰が持ち出したのか、何が持ち出されているのか、ひと目でわかります。
戻す時も、戻す場所が、ひと目でわかりますから、迷わず戻すことができます。
書類名の決め方のポイント
書類のライフサイクルが進む毎に、取り扱い、保管する単位を上手に変えていくためには、ファィル名を工夫します。
パソコン内で扱う書類の書類の付け方の例を説明しましょう。
営業、開発資料・伝票などのビジネス書類は、取引相手または営業や予算管理上の管理番号、製品やサービスの品名や型番、仕事での成果物の名前と、作成、更新の日付をもとに、書類名を決めます。
例えば、このような書類名になります。
書類の最新管理は、それが作成、更新された日付でわかるようにします。
内部管理のための資料やデータなどの管理書類は、年月度、会計上や業務管理上の処理区分、処理内容と、作成、更新の日付をもとに、書類名を決めます。
例えば、このような書類名になります。
このような書類名にすると、書類ライフサイクルが進む段階に応じて、扱いや保管の単位が変わっても、書類名の各項目別に検索し、並べ替えて、フォルダーに格納するだけで、それぞれの単位に応じた管理ができるようになります。
紙の書類の場合は、書類名を、成果物、または処理内容だけとします。
取引相手または営業や予算管理上の管理番号、製品やサービスの品名や型番、年月度、会計上や業務管理上の処理区分などは、収納場所を区分し、表示して、書類を分けて保管します。
紙の場合は、電子データのように容易に検索や並べ替えができないので、書類は最小単位にしておき、収納場所で区分して、単位が変わった都度、収納場所を変えていきます。
表示の仕方のポイント
次に、表示について説明します。
まず、書類背表紙の表示です。背表紙を作成するときは、見やすく、探しやすいものになるように留意します。背表紙には、業務名、書類名、発生年月日、保管期限、保存期限などを表示します。背表紙を見れば、どの業務で必要な書類なのか、いつまで保管・保存すればよいのか、などがわかるようにします。また、どこに戻せばよいのか、戻す場所がわかるようにしておくことも有効です。
背表紙のフォーマットをパターン化したり、業務が色によって識別できるようにしたりすることも大切です。
また、保管場所の表示をすることで、誰でも簡単に取り出すことや戻すことができるようにします。棚やキャビネットに、直接、表示することで、周知をはかります。
そして、収納場所をマップに表示することで、どの場所に、どの書類が置いてあるのか、誰でもわかるようにします。
表示では、取り出しやすく、戻しやすい工夫を行います。
書類・ファイルの整理整頓の仕方
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