Blog
5.212019
組織目標管理(OKR)のための実績の評価と振り返りのコツ
改善を繰り返すPDCAサイクルを回すための評価・分析と振り返り方法
会社や部門の目標を管理する方法には、方針管理やOKR(Objectives and Key Results)があります。いずれも目標の設定がゴールではなく、目的・目標の達成がゴールです。そのためには達成に向けた取り組みを実績データ・Key Resultsから評価分析して、改善を繰り返すPDCAサイクルを回すことが重要です。実績データ・Key Resultsをどのように評価・分析、取り組みを振り返るのか、その方法とポイントを紹介します。
<目次>
目標に向けた取り組みのPDCAサイクルを回すためには
目標に対する結果の評価とふり返り方法とポイント
取り組み前後の変化の評価とふり返り方法とポイント
効果を出し続ける力の評価とふり返り方法とポイント
リスクの増減の評価とふり返り方法とポイント
目標に向けた取り組みのPDCAサイクルを回すためには
目的を達成したり、めざす姿を実現したりするためには、自分たちの取り組んだ実績を評価しなければなりません。
評価結果をもとに、取り組みを見直すPDCAサイクルを回し、取り組みのレベルアップをしていきます。
しかし、目標に対する達成度だけを評価するだけで、取り組みのブラッシュアップはできるのでしょうか?
たまたま、顧客や競合などの外部環境変化によって目標が達成されただけかもしれません。
結果だけ見ていても、取り組みの適切性は判断できないときがあります。
取り組みをブラッシュアップするためには、取り組みそのものを様々な視点で評価する必要があります。
目標に対する結果は、取り組みの最終達成状況の評価のために必要です。
達成度とは別に、取り組み前後の変化を測定して、取り組みを通じて、自分たちが成長したか評価することも必要です。
効果を継続して出し続ける力も測定して、一過性の効果でなく、継続的に効果を出す取り組みであることを評価しなければなりません。
効果ばかりに目を奪われていると、思わぬ落とし穴もあります。特に、新たな取り組みは、そのリスクについても評価しなければなりません。
効果を追うあまり、危険な領域に踏み込んでいたことに気がつかないと、職場や社内での様々な安全性の欠如を招くだけでなく、ひいては、企業の存続を危ういものとしてしまいます。
以上のような多面的評価を行い、PDCAサイクルを回すことで、取り組みのレベルアップができていきます。
それでは、それぞれの視点での評価とふり返りについて詳しく説明します。
目標に対する結果の評価とふり返り方法とポイント
まず、「目標に対する結果」の評価とふり返りです。
目標に対する結果の評価は、目標をクリアしたか否かを評価します。
「目標を達成した。」「達成できなかった。」評価は分かれます。
しかし、それだけで終わらず、もう一歩、踏み込んで評価します。
達成したとき、その取り組みは目標達成に対して、的を射た取り組みでしたか?
目的達成につながる取り組みでしたか?また、方針に沿った取り組みでしたか?
的を射た取り組みの上で目標を達成しているのであれば、取り組み内容の計画方法の良かった点をふり返り、今後の取り組み計画へ反映するようにします。
達成の有無に関係なく、的を射た取り組みではなかった場合、自分たちの取り組み計画の問題点をふり返り、次に、同じ轍を踏まないようにするためにはどうしたらよいか考えましょう。
そもそも、取り組みができていないのであれば、実行できる体制や風土づくりに取り組みましょう。
取り組み前後の変化の評価とふり返り方法とポイント
次の視点は、取り組み前後の変化です。
昨年までの実績や、取り組み開始前のデータと取り組み後のデータを比較します。
比較した結果、取り組み前より向上した、低下した、または、変わらなかったという評価になります。
そのとき、自分たちの成長についても評価してみましょう。
取り組みによって、自分たちは変化、または、成長できているのなら、データの向上は、自分たちの成長によって達成できたことです。
引き続いて、成長できるように取り組みの継続性に向けた取り組みをします。
「変化や成長がわからない」、「変化や成長を感じられない」ということであれば、現在の取り組みは、単なる作業となっています。
自分たちの能力を高めることで結果を出す取り組みを模索しましょう。
低下、または、変わらずの結果において、取り組みに停滞や後退があったのならば、その原因を突き止め、早急に対策する必要があります。
効果を出し続ける力の評価とふり返り方法とポイント
次は、「効果を出し続ける力」の評価とふり返りです。
効果を出し続ける力は、最も難しいテーマの一つです。
継続は力なりと言われるように、自分たちの良さや強さをしっかりと認識し、それを継続して活かすことができれば、企業は間違いなく発展します。
目標に対する結果が一過性のものではなく、継続しているか評価します。
良い結果が継続しているとき、そこに続ける仕組みが機能しているか評価しましょう。
続ける仕組みがあるのなら、それを特定して、大切に守っていくようにします。
同じ継続でも、悪い結果が継続しているなら、そこに、悪いことを続ける仕組みができあがっていないか調査してください。
もし、悪いことを続ける仕組みがあるなら、それを根絶する取り組みが必要です。
続けることが、人に依存しているのなら、それを仕組みによって続けられるように改善しましょう。
続けることへの意識も取り組みもない場合は、続けることの価値と重要性を啓蒙して、意識づくり、仕組みづくりを行いましょう。
リスクの増減の評価とふり返り方法とポイント
次に、「リスクの増減」の評価とふり返りです。
リスクの増減の評価は、効果ある取り組みの危険性や脆弱性を「見える化」することです。
クレームや納期遅延などの件数の増減などから評価します。
リスクの低下、または、高まりを評価します。
リスクが変わらず、または、低下していて、取り組みにおいて、過去の経験や管理が効いていると評価できるときは、その経験や管理を継続できるようにしましょう。
取り組みにおいて、何がリスクなのか、何を評価すればよいのかわからないときは、自分たちの身の回りにある危険や脆弱がわからないということです。
まずは、リスクをどのように評価すればよいか検討しなければなりません。
リスクが高まっている中、過去の経験や管理方法が通用していないと評価している場合は、リスクを抑える手立てが無いということになります。
従来と変えた取り組みをすぐに元に戻し、リスク改善への取り組みを最優先で行わなければなりません。
以上のような視点で、評価とふり返りを行い、PDCAサイクルを回して、目標達成のための取り組みのブラッシュアップを行っていきます。
Copyright © 改善と人材育成のコンサルソーシング株式会社