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6.202018
仕事へのこだわりを強みとして結果に反映させて期待以上の成果を出す方法とコツ
こだわりは大切!依頼者視点と一致させ期待以上の仕事につなげる
仕事の中にこだわりを持つことはとても素晴らしいことです。
仕事上で有効となるあなたの「こだわり=強み」を認識できているでしょうか。依頼者の優先事項を正確に把握し、自分がこだわっていく部分(強み)を一致させることで、依頼者の期待以上の結果を導き出す仕事の進め方をしましょう。依頼者の期待以上の結果と高い評価を得るための、良いこだわり方のコツを紹介します。
<目次>
仕事とこだわりのバランスを取るコツ
仕事の目的と依頼者視点に沿ってこだわる部分を見極める
作業単位の目的とアウトプットも明確にする
途中で仕事の目的に沿っているかを俯瞰する
依頼者の目的に沿うことで期待を超えていく
仕事とこだわりのバランスを取るコツ
仕事の中にこだわりを持つことはとても大切なことです。
なぜなら、こだわりは、あなたの強みなのです。
こだわることによって、依頼者に期待以上の満足を与えることもできます。
これは、仕事にこだわりを持てない人には、できないことです。
しかし、仕事は、常に時間や資金、能力という制限のなかで行わなければなりません。
各自のこだわりも、その制限の範囲内でのみ許されるものです。
その制限の中で最高のパフォーマンスを発揮し、結果を出していくことが求められます。
どの部分にこだわるかが重要なポイントになります。
こだわりどころを間違えれば、そのこだわりは価値のないものとなってしまうのです。
それだけでなく、依頼者が求める結果を出せず、依頼者からの信頼も失います。
的確にこだわる部分を選択し、結果までを出すという責任を持つ必要があるのです。
ここで、こだわりとは何か?について確認しておきましょう。
こだわりとは、自分が大切にする価値観や考え方です。
よく似たものに、「趣味」があります。
趣味は、仕事では邪魔なものです。
こだわりと趣味の違いを認識し、こだわりは大切にして、趣味は排除しなければなりません。
仕事は、相手=依頼者や顧客に価値を提供することです。
こだわりは「相手=依頼者や顧客」にとっての価値を高めることにつながる価値観や考え方です。
趣味は、自分とっての価値を高めることにつながる自己満足に留まる価値観や考え方です。
自分にとっての価値を高めるものが、必ずしも、相手の価値を高めるものではありません。
これが自分の趣味になってしまっていることがあります。
そして、この趣味を仕事上のこだわりと混同してしまうのです。
仕事上のこだわり、趣味の上でのこだわりをしっかりと分ける認識が必要です。
良くないこだわりの例を挙げてみましょう。
上司が、翌日の会議の報告で使う調査報告書の作成を部下に依頼しました。
すでに出ている分析結果を、報告書としてまとめる作業です。
しかし、その部下は、夕方になっても報告書の作成を完了できません。
上司が確認してみると、彼は分析をし直していました。
報告書どころか、その分析すら終わっていない状況です。
確かに、彼が気付いた分析視点を加えたほうが、より良い報告になりそうですが…
依頼した上司には、明日の会議で使うという予定があります。
すでに出ていた分析結果でも、報告の目的は達せられるものでした。
このとき上司が必要としたものは、分析内容の向上ではなく、報告書というアウトプット。
この部下のこだわりは、報告書作成という上司の依頼を満たしていません。
会議で参加者に内容を正しく伝えるための上司の準備も遅らせてしまったかもしれません。
仕事では、自分のこだわりが依頼者の優先したいことと一致していることが大切です。
仕事の目的や、依頼者の優先事項を把握して、有効なこだわりポイントを見極めるのです。
自己満足のこだわりに嵌ってしまわないように気を付けましょう。
そして、的確なこだわりによって、依頼者に満足を与えていきましょう。
仕事の目的と依頼者視点に沿ってこだわる部分を見極める
その仕事の目的を明確にする
仕事は、ある目的に達するために行います。
的確な部分にこだわるためには、まず、その仕事の目的を正しく認識しましょう。
目的に沿ったこだわりであるなら、結果や評価を高めます。
目的から外れたこだわりは、単なる作業者の趣味です。
評価に値しないばかりでなく、マイナスを運んでくるものなのです。
同じ仕事であっても、その時の状況や場面によって目的は変わります。
たとえば、名刺を作るという仕事。
「会った人に自分のことを覚えてもらうため」という目的があります。
通常は、名前や会社名、住所などの基本情報だけでなく、会社のロゴ、肩書き、資格、業務内容、顔写真など、印象に残るように工夫して作成します。印刷会社に依頼し、デザインや紙の質感まで検討しながら整えてもらうこともあるでしょう。
しかし、その日の夕方の交流会のための、緊急の「名刺を作る仕事」となると目的が違ってきます。
「今日の交流会で会った人に自分のことを伝えるため」の名刺であり、自分のことが今日会う人たちに伝われば、目的は達成されます。交流会に間に合わせることが目的達成のための優先事項です。
これを考えれば、自分のパソコンで作成し、会社のプリンターで印刷するという発想も出てくるでしょう。
このように、その時その時の仕事の目的を正しく認識することが大切です。
昨日の仕事と同じだからといって、目的が同じとは限らないことをしっかりと意識しましょう。
仕事を依頼されたときには、いつもその目的を確認します。
「何のためにその仕事を行うのか」
「この仕事によって何を実現したいのか」
確認した内容は記憶に残すのではなく、書き残しておきます。
記憶は時間と共に薄れてしまい、すぐに意識しなくなるからです。
その仕事の目的を書き出しておくことで、常に思い返すことができます。
こだわりを持つべきところと、こだわりを捨てるべきところを意識し続けられるのです。
依頼者の価値基準で優先事項を認識する
目的が明確になれば、価値のあるこだわりなのかと価値のないこだわりも明確になります。
ここで、目的に対して、どんなこだわりが「価値あるこだわり」なのかを考えてみましょう。
ある製品の販売目的が、「顧客にこの製品における便益を届ける」だったとします。
「販売価格(コスト)」に徹底的にこだわる。
「プロモーション(認知度)」にこだわる。
こだわったほうがいいと思える視点は、たくさん浮かんでくるでしょう。
問題は、そのすべてにこだわることはできないということです。
仕事の目的達成は、与えられた制約の中で実現しなければならないものなのです。
そこで、こだわる視点の選択が必要になります。
この選択には、依頼者や顧客の意思が欠かせません。
依頼者や顧客が、何に価値を置き、何を優先したいと考えているかに合わせて選択するのです。
先ほどの経営会議で使う調査報告書の依頼の例を振り返ってみましょう。
すでに出ている分析結果で、経営会議での報告する目的は果たせるという上司(依頼者)の現状がありました。部下に求められているのは報告書の作成です。
部下は、分析の質の向上にこだわってしまいますが、依頼者は、そのことにこだわる価値を感じていません。つまりは、不一致です。
このずれたこだわりにより、報告書作成の完了は遅れ、依頼者に不満を抱かせています。
依頼者のその後の仕事の結果にも影響を及ぼしかねません。
こだわりの視点が依頼者と一致しているかどうかで、評価がまったく異なってくるのです。
ですから、依頼者や顧客にとっての価値基準に照らして、優先事項を認識することが大切です。
QCDの視点で依頼者の優先事項を知る
では、どのように依頼者の優先していることを把握すれば良いのでしょう。
基本的には直接聞くことです。
「今回の仕事において特に重要なことが何で、犠牲にしてもよいことは何か」と聞いてみるのです。
ただ、漠然と聞いても適切な答えが返ってこないこともあるでしょう。
Q(クオリティ)C(コスト)D(デリバリ)の視点で確認してみることをおすすめします。
Q(クオリティ)…成果物の質についてです。
正確性、分かりやすさ、選択肢の多さ、内容・機能の充実度、性能の高さ、不良の少なさなど。
C(コスト)…投入物の量についてです。
使用する資金、消費する時間、使用する資材の量、廃棄するゴミの量など。
D(デリバリ)…成果物を届ける方法についてです。
正確な納期や提供されるまでの期間(短く/長く)
能動的/受動的な提供、広い範囲/狭い範囲に提供、直接的/間接的に提供など。
このQCDの視点を用いると、依頼者の優先していることを正しく把握することができます。
まずは、この3つのどれを優先したいのか聞いてみるのです。
その仕事ごとに、また依頼者(顧客)ごとに優先順位が異なっているはずです。
作業単位の目的とアウトプットも明確にする
作業単位の目的を明確にする
一つ一つの仕事には、必ず目的があることは前述しました。
一つの仕事を完了させるために必要な作業は、いろいろあるはずです。
それらの個々の作業についても、目的を意識しながら進めることが大切です。
たとえば、セミナーのDMを送るという仕事を考えてみましょう。
セミナーのDMを送る目的は「より多くの人にセミナーに参加してもらうこと」だとします。
セミナーのDMを送るための作業には、以下の作業が考えられます。
これら細分化した作業にも、それぞれ目的があるはずです。
その個々の目的を集約したときに、その仕事の目的達成につながるかどうかを確認します。
[案内文を作る] →目的:「セミナーの内容を正しく伝える」
[送付先リストを作る] →目的:「適切な人に確実にDMを届ける」
[封筒に入れる] →目的:「案内文書をまとめ、中身の見えない形で郵送するため」
[宛名を印字する] →目的:「郵送できる形に手配するため」
[郵便局に持っていく] →目的:「送り届けてもらうため」
作業の目的を明確にした上で、依頼者の優先したいことに照らし合わせてみます。
そうすると、作業の重要度が明確になり、こだわる価値のあることが分かります。
つまり、こだわりを持つべき作業と、持つべきではない作業が判断できるのです。
こうして、依頼者の優先事項と一致したこだわり部分に注力していくことが大切なのです。
おそらく、細分化した作業の目的までを考えている人は少ないでしょう。
個別の作業の目的を考えることは、はじめのうちはとても時間がかかると思います。
「こんなことを考えている時間があったらどれだけ作業が進められるだろう」と思うかもしれません。
今まで行っていなかった人にとっては、きっと面倒に感じられるでしょう。
しかし、そこまでを考えないから、的外れな部分にこだわって進めてしまったりします。
作業の目的を考えずに作業に取り掛かることが、非効率を生み出していくのです。
作業の目的までを考える手間が、その後のムダを大幅に削減し、効率的な仕事を後押しします。
目的に沿った、必要、かつ的を射た仕事だけを行っていけるようになるのです。
何度も繰り返していると、自然に目的を考えられるようになっていきます。
何ごとも訓練です。しばらくは面倒でも目的を考えてみてください。
作業単位のアウトプットを明確にするコツ
仕事の中で必要と思われる作業を書き出し、それぞれの目的も確認しました。
ここで、作業が一連のプロセスとなるように整えます。
それぞれの作業を行うためには、必ずインプットが必要です。
たとえば、参照する資料や照合する伝票、顧客や製品リストといったものです。
そして、その作業が完了したときにはアウトプットを出します。
このアウトプットを次の工程のインプットとして、新しいアウトプットを作り出していくのです。
次の工程を顧客(依頼者)と見立て、その顧客にメリットのあるアウトプットを定義します。
このとき、次の工程の顧客が自分となることもあるでしょう。
つまり、半日後の自分の仕事にも影響する可能性があるということです。
「1」という仕事には、A→B→C→Dという作業が必要だったとします。
このとき、AのアウトプットがBのアウトプットの創出に役立つ有効なインプットとなるようにします。
Aのアウトプットをインプットとして作りだされたBのアウトプットは、次工程Cのインプットとなります。
最終のDでその仕事で求められるアウトプットが出るという流れです。
定型の仕事であれば、最終的に必要なアウトプットから逆算で考え、各工程で必要なインプットを定義していくとうまくいきます。
「1」 売上報告書を作成する場合を例にとります。
D報告書の作成・提出
アウトプット → 売上報告書
インプット → データ集計と分析内容、売上報告書テンプレート
C集計・分析
アウトプット → データ集計と分析内容
インプット → 営業担当者から提出されるデータ
B営業担当者から収集
アウトプット → 営業担当者一覧チェック表、提出されるデータ
インプット → 営業担当者から提出されるメール
A営業担当者に提出依頼
アウトプット → メールアドレスグループの作成、提出テンプレート、依頼メール送付
インプット → 営業担当者一覧
Aのインプットから準備していくことになります。
各工程で個々の作業の目的が達成され、次工程のメリットとなるアウトプットを出せるようにします。
それぞれのアウトプットとインプットを結んでいくと、効率的な作業の流れができあがります。
目的意識向上のコツ!仕事をすべて見える化する
仕事も、その仕事に必要な作業項目もすべて書き出しましょう。
書き出した作業項目ごとに、目的もアウトプットも書き出しながら考えていくのです。
書き出した流れに沿って、仕事を進めていけるようにしておきましょう。
これにより、個々の作業を行っているときに、全体のどのあたりのことを行っているのかもわかります。
作業中の抜けや気付きがあったときは、そこに書き加えるようにしてみてください。
自然にその書き出したものを見る頻度が増えます。
そのときにも、その仕事の目的や個々の作業の目的を目にすることになるでしょう。
つまり、その都度、目的から逸脱していないかを確認することができるのです。
途中で仕事の目的に沿っているかを俯瞰する
仕事を進めていく途中で、目的に沿っているかを確認するポイントを設けましょう。
すでに、仕事もその仕事の中の作業項目も目的に照らして吟味しているのに…
と疑問に思われるかもしれません。
確かに、これ以上ないほどに目的に沿うための考慮を重ねています。
それでも、途中で仕事の全体を俯瞰して目的に沿っているかを確かめます。
途中で、あらためて仕事の目的を振り返るのです。
なぜなら、目的意識はとても薄れやすいものだからです。
仕事を始める前に、どんなにしっかりと考えたとしても薄れます。
とくにこだわりの部分については、そこに注力するうちに全体の目的から逸脱しやすいのです。
そうならないためにも、途中でもともとの目的に沿っているか、このまま進めてもいいのかを考えます。
最低でも、仕事の半分が終わった段階で、一度は俯瞰しましょう。
・作り出された成果物が当初の作業目的に則したものか
・その成果物がこの先使われることで仕事の目的を達成できるか
もし、何か疑問や不安があるようであれば、そのまま作業を進めていくことは危険です。
一度、全体の作業を再確認し、必要であれば作業を組み直します。
場合によっては、仕事自体をやめることになるかもしれません。
目的を果たせない仕事を続行するより、潔くあきらめて仕切り直した方がよいこともあります。
依頼者の目的に沿うことで期待を超えていく
ここまで依頼者の目的を正確に認識することの大切さをお伝えしました。
こだわりは、依頼者の優先事項と一致していなければ、意味のないものになってしまいます。
依頼者の目的と優先事項を正確に認識することができれば、
同時に、依頼者の期待を超えるチャンスを手に入れることになります。
依頼者の目的を叶えるためのベストな方法や材料は、依頼者が持っているとは限りません。
目的に沿うこだわりなら、依頼者は大歓迎なのです。
期待を超える仕事をするコツについては、<記事6>でご紹介しています。
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