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整理整頓で仕事の効率を上げる!整理整頓のコツと基本ステップ

ステップ

整理整頓の本来の目的を理解した実践で整理整頓の最大効果を得る

整理整頓がうまくいかないとき、その取り組みはどのように捉えられているでしょうか。
意義と効果を理解し、感じられれば、行動や意識が変わり、効果を生み出すことにつながります。
仕事における整理整頓の意義と効果について理解を深めましょう。仕事の効率を高める整理整頓の基本ステップの「準備」「区別」「捨てる不安のあるモノの対処法」「配置の仕方」と効果を出すコツを紹介します。

<目次>
整理整頓の効果、出ていますか?
>多くの人は整理整頓をどう捉えているだろう

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)と業務改善の関係
>5Sとは
>5Sのそれぞれの定義

整理整頓の準備と基本のステップ
>準備 すべてを取り出して始める
>STEP1 区別する3つのカテゴリ
>STEP2 捨てる迷いや不安のあるモノの対処法
>STEP3 いらないモノは捨てる
>STEP4 いるモノは使いやすく配置

 

5Sの学び項目
動画で学ぶ

整理整頓の基本と取り組みステップ
整理整頓の効果の出し方とポイントを解説
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整理整頓の効果、出ていますか?

多くの企業で5Sの取り組みが行われています。
しかし、効果が出ず、従業員にはやらされ感が募ったり、決めたことも実行されていなかったりという企業もあります。実際に実践する従業員たちは、整理整頓をどう捉えているのでしょう。

多くの人は整理整頓をどう捉えているだろう

誰もが会社や家庭で耳にする整理整頓。
皆さんにとって整理整頓とはどのようなことですか。

私は「バラバラに散乱している物を集めて、規則正しく置くこと」と思っていました。

この認識に留まってしまうと、表面的な行動しかしません。

整理整頓をするように言われると、大きさや向きを揃えて置き直すだけとなりがちです。
そのときは、たとえ表面的なやり方でもきれいになり、やった気にもなるものです。
問題は、元の散乱状態にすぐに戻ってしまうことです。
この経験から、私は「整理整頓はきれいにはなるけど、あまり意味がない」と結論づけていたのです。

しかし、整理整頓を仕事として伝えるようになって、自分の認識が根本的に間違っていたことに気付いたのです。それだけでなく、整理整頓によって多くの効果が得られることも知りました。

整理整頓とは、「綺麗に置く」ことではありません。
『いるモノ』と『いらないモノ』を分けて、『いらないモノ』を捨て、『いるモノ』を使いやすいように置くことです。

そうすることの結果として、効果が得られるのです。

職場環境が整い、気持ち良く仕事に向かえます。
探す、迷う、思い出すなどが減りスムーズに仕事が進んでいくでしょう。
不要なストレスが減ることを、整理整頓を実践する本人たちが実感するはずです。
そこに「整理整頓に意味がない」という捉え方は存在しなくなるでしょう。

それに伴い、生産性や品質、セキュリティも向上します。
お互いに協力できる関係性が強化されたり、働く人たちの価値観をも変わったりして、組織全体の力が向上していくのです。
このように整理整頓は、従業員の気持ちの問題から職場の人間関係や業務成果を得ることまでを含んだ活動なのです。

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5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)と業務改善の関係

5Sは、特別なことをするわけではありません。
しかし、単なる掃除活動、きれいにする活動ではないことは確かです。
ここで、「5S」と「5Sの各項目」について再確認していきましょう。

5Sとは

5Sは、仕事に必要なモノだけに絞り、仕事を行いやすいように整理整頓することによって、職場の抱える課題を解決するための改善活動です。5Sという表現は、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5つの言葉をローマ字にしたときの頭文字のSが取られたことからきています。

整頓は、整理ができてこそ完了できるものです。
清掃は、整理整頓の活動を推進し、清潔は、整理整頓された状態の維持を支えます。
整理整頓や清掃、清潔の実践継続が、良い行動や思考を習慣化する躾となっていきます。

5Sのそれぞれの定義

【整理(SEIRI)】
『いるモノ』と『いらないモノ』を分け『いらないモノ』を捨てることです。

自分たちの現在や将来にとって、必要なモノかどうかを明確に判断し、必要でないと判断したモノを捨てる行動までを含みます。過去の視点を入れません。過去にどれだけ役に立ったモノであっても、現在や将来に役に立たないのであれば思い切って捨てます。

【整頓(SEITON)】
『いるモノ』を使いやすいように置くことです。

整理によって、自分たちにとって必要なモノだけになります。必要なモノを適切な場所に、適切な置き方で、適切な量だけ置いていくのが整頓です。整理ができて、初めて整頓が可能になるということができます。

【清掃(SEISOU)】
身の回りのモノや場所をきれいにし、いつでも使えるようにすることです。

整理整頓された状態を維持するための行動です。整理整頓された状態は、放っておけばすぐに崩れていってしまいます。常に意識して崩れる予兆を見つけ、手を打っていくこと(清掃)が必要です。  

【清潔(SEIKETSU)】
誰が見てもきれいであり、きれいな状態を保とうという気持ちにさせることです。

整理整頓が維持されていることが一目瞭然で、崩れていればすぐにわかる状態になることです。
何もないところのゴミや汚れは、小さなものでも目立つため誰もが気付けます。いろいろなモノが散乱していれば、一つのゴミや汚れに気付くことはありません。
清潔とは、このように誰もが気づく環境をつくることです。

【躾(SHITSUKE)】
職場のルールや規律を守り、習慣づけることです。

ルールを守る習慣によって、信頼し合い、協力し合う組織風土をつくりあげることです。ルールは、文書で示すだけでなく、道具や環境を通したルールを守る仕掛けが必要です。細かなルールのすべてを記憶することはできないため、作業の随所で守るべきルールがわかるようにします。

自らチェックし、自ら直すことを、習慣化させます。人に指摘されて直すのではなく、自ら正しい状態にしようとする気持ちを醸成します。お互いに褒めて称え合うことで、やる気を導き出し、成長させます。

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整理整頓の準備と基本のステップ

では、ここから、実際の整理整頓のやり方について準備と4つのステップとしてご説明していきます。
ステップは、「区別」「区別できないときの対処」「捨てる」「配置」です。

準備 すべてを取り出して始める

 
整理整頓は、個人の引き出しから共有のキャビネットまで、その場所にあるものすべてを出して行うようにします。

整理整頓では、すべて出さずに、一つずつ手にとって『いらないモノ』かどうかを考え、『いらないモノ』なら捨てる、『いるモノ』なら戻すという方法をとりがちです。この方法だと、時間が掛かる割に捨てるモノが少なく、終わったときにあまり変化がないことが多いようです。

なぜ、捨てるモノが少なくなるのでしょうか。

『いらないモノ』を見つけ出す視点で行っているため『いるかいらないか分からないモノ』まで残ってしまうからです。この『いるかいらないか分からないモノ』を一気に整理するためにも、その場所にあるものをすべて外に出すのが得策なのです。

出したモノをひとつずつ手に取って『いるモノ』基準で、中に戻していきます。

『いるかいらないか分からないモノ』は基本的には中に戻しません。
戻すものは、分類してから戻します。たとえば、規定やマニュアル類なのか、参照資料なのか、対応中の案件に関するものかといった具合です。ファイルボックスなどを使用すると、何をどこに入れればいいかがわかり易くなります。

この方法を取れば、多くのモノを捨てることができ、片づけたい場所が、よりスッキリするでしょう。

個人の引き出しの場合、いろいろなモノが混在しています。
中には、本人すら何なのか特定できないものまで含まれていたりします。

個人の引き出しを整理整頓するときには、思い出に浸らないように注意しましょう。
非常に時間がかかってしまうだけでなく、思い出に対する感情が捨てることを難しくするのです。

『いるモノ』ではないことはよく分かっているのだけれど…
一度、このような感情が湧いてしまうと断ち切ることが困難になります。

感情が湧く前に、機械的に判断をするのが一番です。
手に取ったら、1分以内に『いる』『いらない』の判断をするようにしましょう。
どうしても気になるモノは家に持ち帰り、思い出に浸ればいいのです。

STEP1 区別する3つのカテゴリ

 
整理は、『いるモノ』と『いらないモノ』を区分することから始めます。
「簡単なこと」「あたりまえのこと」と思われるかもしれません。
実は、この区分するという行動は、意外に難しいことなのです。

試しに、机の上にあるものを『いるモノ』と『いらないモノ』とに、きっぱり分けてみてください。

『いるモノ』と『いらないモノ』以外に、第三の分類として『いるかいらないか分からないモノ』が出てきませんか。

「今は必要ないと思うのだけれども、また必要になることがあるかもしれない」
「自分のモノではないから判断できない」
これら第三の分類が厄介で、いつまで経っても区分できずにどんどん溜まっていきます。

この『いるかいらないか分からないモノ』はどうやって区分すればいいのでしょう。

まず、基準を持つことが重要です。
どれが『いるモノ』で、どれが『いらないモノ』なのかを明確に決めて線引きします。

たとえば、
「最新版と一つ前版の資料は必要だけど、それ以上前版の資料はいらない」
「参考資料はレポートを書くまでは必要だけど、書き終わったらいらない」というものです。
その基準が『いるかいらないか分からないモノ』の区分の助けとなるはずです。

区分することは、新たな視点も生み出します。
それぞれのモノが、何のために必要なのかを考えるようになるのです。
区分をしないときには、無意識なことではないでしょうか。

個人のモノの整理だけでなく、職場やチームのモノを整理するときにも、「明確な基準」を設けることが非常に大切になってきます。

ひとつのモノに対して、ある人は『いらないモノ』、別の人は『いるモノ』と思ってしまっては、整理が進みません。それどころか職場内に不必要なもめごとを引き起こす可能性があります。

職場のメンバーの意識を合わせて整理を進めるためにも、明確な基準を設定して、誰もが同じように『いるモノ』と『いらないモノ』を区分できるようにしましょう。
 

STEP2 捨てる迷いや不安のあるモノの対処法

 
『いらないモノ』を捨てるの当然のことです。
しかし、この当然のことに、勇気や思いやりが必要になることがあります。

私の知人は何でもかんでも捨ててしまいます。
後日、必要なモノだったことがわかり大騒ぎになったことも度々ありました。
『いらないモノ』だけではなく『いるモノ』まで捨ててしまっているのです。
この人は、何が『いるモノ』なのかを知る必要があります。

ただ、その逆の問題を抱える人が多いのではないでしょうか。
「ひょっとしたら必要なものかもしれない」という不安感から捨てられない…。

捨てるという行動自体は単純です。
しかし、捨ててしまえば、二度と返ってきません。

「もし、後で必要なモノだったことが分かったら」
「もし、重要なモノが紛れ込んでいたら」
「もし、……」
いろいろな想像が捨てることをためらわせます。

いくら判断基準を決めても、たとえ『いらないモノ』として決めたモノであっても、最後の最後に執行する怖さがあるのです。とくに、判断基準を決めて間もないときには、判断基準の精度が低いため不安もひとしおでしょう。

そのような場合には、捨てることの執行猶予を設けます。

明らかにいらないモノと断定できず、どうしても不安があるモノは、一時的に保管し、一定期間そのモノを利用することがなければ、無条件に捨てるようにするのです。

たとえば、『いらないモノ』と判断された書類。
捨てることに不安がある場合は、ダンボール箱などにいれ、封印をして半年間保管します。

半年後、そのダンボール箱の封印が切られていなければ自動的に捨てます。
この時に、中身を見直さないことが重要です。
期限切れのものは、何も考えずただ機械的に捨てます。

半年間で、もし封印が切られていたなら、取り出した書類が何なのか、何のために必要だったのかを確認します。
そして『いるモノ』と『いらないモノ』の判断基準を見直します。

この方法は、書類だけではなく事務用品や装置、資材などでも使えます。

入れ物を開ける際に、どうしても封印を切らなければならないようにしておくことがポイントです。
これで、捨てる不安を和らげ『いらないモノ』を捨てるという行動を確実に実施できます。

『いらいないモノ』を捨てて初めて、整理したことになります。
『いるモノ』と『いらないモノ』の区分は、その準備に過ぎません。
整理ができない人は、捨てることができない人です。
そういう人は、いろいろなモノを捨てられずにズルズルと持ち続けるのです。

しかし、一人の人が持てるモノ、職場に置けるものには量の限界があります。
『いらないモノ』を持ち続ければ、いつか必要になる『いるモノ』を持てなくなるでしょう。
そうならないために、「捨てる」ことができるようにならなければなりません。

「捨てる」ことは、新しいものを手に入れるための準備でもあります。
整理は過去を清算し、未来へ向かうための第一歩なのです。

 

STEP3 いらないモノは捨てる

『いらないモノ』と判断できたものは、捨てます。

・ゴミ箱に入れる
・シュレッターにかける
・廃棄物置場に持っていく
・廃棄業者を呼ぶ

セキュリティ、環境面などに配慮して、適切な捨て方で処分しましょう。

【あったら楽なモノも捨てる】

あったら楽だ、後で役立つというモノも思い切って捨てましょう。
それは自身の成長のためです。

例えば、過去に作成した企画書や提案書を残しておき、次に企画したり、提案するときに、それを修正して使えば楽だからと残すことがよくあります。

確かに、効率的ですが、3年前の企画や提案をベースに作成した企画や提案は古くさく、魅力がなく、成長のないものです。3年も経てば、さまざまな経験から、もっと良い企画や提案ができるはずです。

古い企画書や提案書は思い切って捨てて、1からつくることも自分の成長のために必要なことです。

「あったら楽」からは決別して、成長するために捨てましょう。

STEP4 いるモノは使いやすく配置

 
 『いるモノ』は使いやすいように置いていきます。
では、使いやすいように置くとは、どのように置くことでしょうか。

手の届く範囲にすべてのモノを置くことができれば、確かに便利です。
しかし、手の届く範囲は、せいぜい半径50cm程度。
この範囲にモノを置いていくと、きっと山ができあがるでしょう。

個人で考えれば、モノの所在もわかっているつもりですから、とても使い勝手の良い状態でしょう。
とくに、私生活であれば、これでもいいのかもしれません。

しかし、職場など、チームで活動するところでは問題になってきます。
この個人範囲の円形の要塞は、他の人にとっては「使いにくい」からです。

では、改めて職場のチームとして使いやすい状態を考えてみましょう。

使いやすい状態とは、使いにくくない状態です。
使いにくい状態とは、たとえばどんな状態でしょうか。

・どこに何があるか分からない
・資料などが遠くに置かれている
・使いたい順番に並んでいない
・取り出しにくい
・持ち直さないといけない
・物をどけないと使えない
・いちいち使える状態に戻さなければならない

まだ、たくさん出てくるかもしれません。

このような使いにくい状態ではない状態が使いやすい状態ということになります。

・どこに何があるかがわかる
・メンバーに合わせた配置
・メンバーの使用頻度に合わせた配置
・取り出しやすい順序や状況
・使い方に合わせた置き方
・障害物がない
・常に初期状態で置かれている

上記の状態を整えるために、
「何をどこに置く」
「どのように置く」
「いくつ置く」
という基準をチームで決めます。

基準を明確にすると、
人によってモノの置き場所が違ったり、勝手な置き方をしたりということがなくなります。
「使おう」と思ったときに、迷うことなく自然に手にすることができるようになるのです。

この先、そのひとつひとつの基準について詳しくご説明していきます。
 

どこに置くか

  
職場での、モノの置き場所の決定はどのように行われているでしょう。
職場で使用できるスペースを洗い出し、チームやプロジェクトごとに人数や書類量で割り振っていませんか?発言権や発言力のある人によって勝手に割り振や場所が決められることはないでしょうか。
これではすべての人にとって使いやすい状況にはできません。

【モノの置き場所を決める際の2つの考慮】
A:誰が使うのか
B:どれくらいの頻度で使うのか

【A:誰が使うのか】
「特定の個人が使用するモノ」
個人の机、引き出しやキャビネットに配置

「プロジェクトなど数人のチームで使用するモノ」
代表者のキャビネットや、チーム割り当てのロッカーや倉庫のエリアに配置

「部門や職場全体で使用するモノ」
ロッカーや書棚、倉庫など職場全体で使用するエリアに配置

【B:どれくらいの頻度で使うのか】
「一時間に数回」なら、各個人の机やキャビネット
「一日に一回以上、上記以下」なら、デスクの近くのキャビネット
「週に一回以上、上記以下」なら、オフィス内のロッカーや書棚
「月に一回以上、上記以下」なら、倉庫や資料室

【棚の配置は、人の動きも考慮】
使用頻度(高)1mから1m70cmの高さの段
使用頻度(中)上記より下段
使用頻度(低)上記より上段

【注意!『ある時点であるモノが置かれるべき場所は1箇所だけにする』】
上記の置き方の基準にあてはめると、状態や状況が変わればベストな置き場所も変わります。

新製品の発表に向けて、昨日まで頻繁に使用していた資料。
新製品が発表されれば、今日から頻繁に使うものは変わるでしょう。昨日までの資料と今日から使うもの使用頻度が変化したのですから、置かれる場所を変えたほうが使いやすいはずです。
つまり、ある期間で見ると、一つのモノが置かれるべき場所は一つではないということです。

重要なのは「今、その瞬間」の置き場所は一か所だという点です。

複数の場所に配置すれば、決める意味がなくなってしまいます。
そのモノを使おうと思った人は、その複数の場所を探さなければならなくなるのです。
探すというムダな作業が生み出されます。

一か所を見て、そこにないとき、
「そのモノが無いのか」「見つけることができていないのか」を判断することもできません。

購入すべきか、探すべきかなど、次に行う行動にも迷いが生じます。
その迷いは、作業に集中できない状態を招くのです。

このように、ムダや集中できない状況を作らないためにも、「一か所に置く」が大切なのです。

なお、その「一か所」を決める基準は、一品ごとに決めるのではなく、モノをいくつかの種類に分けます。個別に決めていたのでは、基準が膨大な量になってしまうでしょう。

それぞれの種類のモノ別に、「この状態ならどこに」「この状態になったらココへ」のように決めていきます。  
  

どのように置くか

皆さんは、モノを置くとき、どのように置いていますか。
改めて聞かれると困ってしまいませんか。

モノを置くときに、置き方まで気にすることは少ないようです。
強いて言えば、「壊れないように」「上下のあるモノは上を向けて」などでしょうか。
皆さんはいかがですか。

【取り出しやすさに配慮する置き方】
モノの置き方を決める際には、もちろん破損やモノの特性は考慮します。
加えて、使用する時に取り出しやすいかどうかを考えることが大切です。

ペン立てを例にご説明します。

ペン立てからボールペンを取り出すとき、
ペン先を下に向ける置き方をしていれば、
手にとり→キャップを外し→書き始めることができます。

ペン先が上を向いた置き方をしていると、
手にとり→持ち替えて→キャップを外し→書き始めることになります。

この持ち替える動作は、価値のないムダな動きです。
ペン立てにボールペンをしまうときに、ペン先が下を向くように置いたほうが、次に使うときに取りやすいわけです。

どのように置かれていることが、使用時の取り出しやすさにつながるか。
これを常に意識することが大切なのです。

自分も使っているモノであれば、取り出しやすさもわかるはずです。
難しく考える必要はありません。
普段の行動の中から、“取りやすい”と“取りにくい”を感じられれば、どのように置けば良いのかが自然にわかるでしょう。

【置くときの「姿」を考える】
置くときの姿を考えることも大切です。

たとえば、個別のモノなら、
・ひとつひとつをバラで置く
・輪ゴムでまとめる
・箱に入れる
・箱にどのように入れるのか

資料であれば、
・パイプファイルにファイリング
・紙ファイルにファイリング
・綴じひもでまとめる
・クリアファイルに入れる
・ホッチキスやクリップで留めた状態にする

というように、どの姿で置くかの選択肢があります。
それぞれの姿に使い方の特徴があり、置き場所や置き方も変わってきます。

また、一つのモノでも状況によって、使いやすい姿、置かれるべき姿が異なります。

たとえば、現在使用中のボールペンなら、前述のようにデスク上のペン立てにペン先を下に向けて置くのがいい置き方です。しかし、まだ使っていない予備のペンなら、ペン立てには置かないほうがいいのです。色で分類された箱に入れられ、備品棚の中にあるのが適切でしょう。

常に使用するときのことを意識しながら、状況に合った置き方や置く姿を決め、ムダな動きを最小限に抑えていきましょう。

どのくらいの量を置くか

モノを置くときは、その場所にどのくらいの量を置くのかを考えます。

あなたの引き出しの中やペン立てを見てください。
黒いボールペンは何本ありますか。

通常、黒いボールペンは1本で十分なはずです。
しかし、実際には2本以上持っていることが多いのではないでしょうか。

油性、水性といったインクの種類や、芯の太さを用途に合わせて使っている場合もあります。
これは明らかに違うモノなのでそれぞれ一つずつと考えましょう。
それを外しても、同じものを2本以上持っていることがあります。

なぜ、2本以上持ってしまうのでしょう。
「インクが切れたときのための予備」というのは、よくある理由です。

では、予備はどれくらいあれば良いのでしょうか。
実際に、どのくらいの量を置いておけば良いのかが明確にされていないのです。

この点の不明瞭さが、不必要なたくさんのモノや、必要な量が揃わない状況を生み出します。
不必要なたくさんのモノにはムダな経費が使われています。
量が揃わないと、改めて手配して待つことになり時間のムダになるのです。

この事態を防ぐために、その場所にどのくらいの量を置くのかを決めます。

【必要量の決め方】
置くべき量の基本は1単位です。
この1単位は、そのモノを扱う最小の塊です。
これは、モノの状況や状態によって変化します。

たとえば、机に置かれる黒いボールペンは1本です。
なぜなら、人は一度に1本のボールペンしか使えないからです。
予備が必要であれば、それも1本です。

使っていたボールペンが書けなくなり、予備を使用し始めたとします。
その予備を、その日のうちに使い切ることはないでしょう。
予備を使い始めてから次の予備を買いに行っても十分に間に合います。
職場の場合、ボールペンなどは一定量単位での発注となるでしょう。

現在使用している文具や工具、資材については、同時に使う数が置く量です。これらは、一日に消費される量や納品されるまでの期間などを考えて、どれくらいの量が適切かを考えます。

まずは、それぞれの場所にどのくらいの数・量のものを置くべきかを決めなければ始まりません。
決めればその量で足りるのか、足りないのかがはっきりします。
はっきりすれば対応を検討することができるのです。

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