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11.162016
改正派遣法の教育訓練とは~進め方と導入のポイント、事例・費用
改正派遣法のキャリア形成のための教育訓練の4つのポイント
1.労働者派遣法の改正のポイント
2.改正派遣法の求める派遣社員の教育訓練とは
3.派遣社員の教育訓練に対する各派遣会社の取り組み
4.派遣社員の教育訓練の導入ステップとポイント
・集合研修のメリット・デメリットと準備事項・費用
・OJTのメリット・デメリットと準備事項・費用
・eラーニング集合研修のメリット・デメリットと準備事項・費用
について、事例を交えて解説します。
<目次>
キャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施が義務づけ
改正派遣法の求める派遣社員の教育訓練とは
派遣社員の教育訓練に対する各派遣会社の取り組み
派遣社員の教育訓練の導入ステップ
ステップ1 段階的かつ体系的な教育訓練の枠組みづくり
ステップ2 キャリアアップのための標準キャリアパスの設定
ステップ3 個々の教育ニーズの引き出し方法の明確化
ステップ4 教育訓練の手段(eラーニング、集合研修、OJTなど)の準備
ステップ5 実施手順づくり
キャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施が義務づけ
2015年9月30日に労働者派遣法が改正され、派遣会社の許可基準に「派遣労働者のキャリア形成支援制度を有すること」が加えられ、キャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施が義務づけられました。
派遣労働者のキャリア形成支援とは、派遣労働者が正規雇用労働者になったり派遣労働者のままステップアップしていくためには、どのようなキャリアパスを歩んでいくのか、派遣労働者の希望を聴取しながら、適切な派遣先の選択や必要な資格取得等についての知識を付与する等の支援を行うことを言います。
キャリアパスとは、ある職位や職務等に就任するために必要な一連の業務経験とその順序、配置、異動のルートやスキルの積み重ね等を言います。
具体的には、
・キャリアコンサルティングを行うこと、
・キャリア形成に念頭を置いた適切な派遣先の選択ができるようにすること、
・キャリアアップに資する教育訓練の機会を提供することです。
キャリアコンサルティングは、希望者全員への実施、相談窓口の設置などの要件があります。
適切な派遣先の選択は、キャリア形成を念頭に置くこと、マニュアルの整備などの要件があります。
キャリアアップに資する教育訓練は、段階的かつ体系的教育訓練、キャリアップに資する事の説明、全員対象と時間などの要件があります。
派遣会社は、これら派遣法の求めるキャリア形成支援制度を社内に構築し、支援を行わなければなりません。
改正派遣法の求める派遣社員の教育訓練とは
労働者派遣事業関係業務取扱要領(一部抜粋)では、派遣社員のキャリアアップを支援する意義を以下のように述べています。
派遣労働者の中には、正規雇用の労働者として働きたい、あるいは派遣労働者としてスキルアップしたいというニーズもあるが、派遣労働者は一般に、正規雇用労働者に比べ、教育訓練の受講機会確保等の職業能力形成の機会が乏しい状況にある。
そこで、派遣労働者のキャリアアップを図ることの重要性に鑑み、派遣元事業主に派遣労働者に対する教育訓練を義務づけるものである。
また、派遣労働者が正規雇用労働者になったり派遣労働者のままステップアップしていくためには、派遣労働者がどのようなキャリアパス(ある職位や職務等に就任するために必要な一連の業務経験とその順序、配置、異動のルートやスキルの積み重ね等をいう。)を歩んでいくのか、当該派遣労働者の希望を聴取しながら、適切な派遣先の選択や必要な資格取得等についての知識を付与する等の支援を行うことが重要である。
派遣社員の教育訓練に対する各派遣会社の取り組み
派遣社員のキャリアアップ教育について、各社、様々な目的で取り組んでおり、目的によって、教育手段や内容が大きく異なっています。
①派遣法への対応
派遣会社は、改正派遣法の求めるキャリアアップのための教育訓練を行うことは必須となっています。
各社、当然、派遣法への対応としてキャリアアップ教育訓練へ取り組んでいますが、派遣法対応だけを目的としていない会社も多くあります。
②無期雇用に向けた優秀な人材の獲得及び育成
派遣社員の無期雇用化の流れが進む中、優秀な社員の獲得・育成のために社員教育を充実することを目的として取り組んでいる会社があります。
これを機に社員教育をする側も教育に関する理解と体制づくりを行っています。
③業務請負に向けたチームづくりとキーマン育成
特定業務のアウトソーシング化、シェアードサービスなどの請負ビジネスに向けたチームづくり、管理力のアップ、中核となるキーマンの育成を目的に取り組んでいる会社もあります。
④顧客の求める作業品質への対応
顧客の求める派遣社員への作業品質が高まる中で、業務遂行力を高めるためことを目的として教育を充実させている会社もあります。
派遣社員の教育訓練の導入ステップ
導入のステップには、教育訓練の枠組みを決めるから始まる5つのステップがあります。
以下、各ステップについて、詳しく説明いたします。
ステップ1 段階的かつ体系的な教育訓練の枠組みづくり
キャリア形成の枠組みの設定
改正派遣法では、派遣社員がキャリアアップしていくためのキャリアパス(キャリアを高める道筋)を歩むことを支援することを求めています。
支援の1つとして、段階的かつ体系的教育訓練の機会を派遣会社は提供しなければなりません。
そのためには、最初に、キャリア形成のための道筋である、キャリアパスを明確にするための枠組みを設定します。
本来、キャリアパスは、一人ひとり異なります。
個々に異なるキャリアパスに応じた教育計画の作成、教材の準備・提供は、かかる費用や時間が大きくなります。
一方で、派遣社員も、白紙からキャリアパスを設定するのは困難です。
そこで、標準的なキャリアパスを設定し、それに応じて教育計画の作成、教材を用意することで、かかる費用や時間を合理的なものとします。
標準キャリアパスから外れたり、異なったりする部分は、個々のキャリアパスとして明確にする仕組みを用意します。
キャリア形成の記事⇒派遣社員のキャリア形成支援制度とは~構築の進め方とマニュアル・事例
教育手段の設定
設定されたキャリアパスに応じた教育手段を用意しなければなりません。
教育手段の代表的なものは、eラーニング、集合研修、OJTなどがあります。
それぞれの教育手段のメリット・デメリット、準備事項、費用は、「ステップ4 教育手段の準備」で説明します。
教育対象者ごとの教育時間の設定
教育は全員対象ですが、法律では、フルタイムで1年以上就業見込みの、入職3年以内の人は、年間8時間以上の教育時間を要求しています。
それ以外の人は、これに比する時間を会社で決めることを求めています。
教育時間は、労働時間とみなし、同額の賃金を支払わなければなりません。
受講時間帯によっては、時間外手当を付加した時給となる場合があります。
ステップ2 キャリアアップのための標準キャリアパスの設定
キャリア形成のための道筋であるキャリアパスを段階的かつ体系的なものとして設定します。
段階的とは、派遣社員がキャリアを積み上げていく段階を階層的に定義しています。
体系的とは、派遣社員の役割や業務内容に応じて習得すべきスキル分野を定義しています。
具体的には、リーダーに向かって段階的に習得すべきスキルが段階的なスキル、業務のそれぞれの専門性を高めるためのスキルが体系的なスキルとなります。
派遣法では、更新時に、キャリア教育計画が、キャリアアップに資するものである理由を示すことを求めています。
そのめたには、キャリアパスを明確にし、キャリアパスに即したキャリアアップ教育をしていることを説明しなければなりません。
厚生労働省が公開しているキャリア形成の手引きなどを参考に、段階的かつ体系的な標準のキャリアパスを設定します。
キャリア段階をステージとして定め、ステージごとの要件の設定、対象者の判定の目安を決めます。
この標準キャリアパスをもとに、カリキュラムや教材を準備します。
弊社では、5段階の職種別標準キャリアパスをご用意しています。
ステップ3 個々の教育ニーズの引き出し方法の明確化
本来、キャリアパスは、一人ひとり異なります。
標準キャリアパスから外れたり、異なったりする部分を明確にする方法を用意します。
引き出し方法には、3つの方法があります。
キャリアパスがわからない人は、キャリアコンサルティングで明確にします。
教育を受けたい内容が明確な人は、面談やリクエストを通じて、要望を明らかにします。
自分のスキルを分析して、明らかにしたい人は人材アセスメントを行います。
弊社では、簡易人材アセスメントツールをご用意しております。
120項目ほどの質問への回答を基にヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルの観点から、一人ひとりのスキル特性を分析し、分析結果から、キャリア形成のための最適な学習テーマを選択してレポート出力するものです。
レポートはキャリアコンサルティングの相談材料としても活用いただけます。
ステップ4 教育訓練の手段(eラーニング、集合研修、OJTなど)の準備
代表的な教育訓練手段には、eラーニング、集合研修、OJTなどがあります。
それぞれ、メリット、デメリットがあります。
目的や環境、費用などを勘案して教育手段を選定し、準備します。
教育訓練手段は、どれか1つだけ行っていいですし、組み合わせてもいいです。
集合研修のメリット・デメリット
集合研修とは、受講者を一箇所に集めて、講師から講義などを受ける教育方法です。
対面型で行うものですが、複数の研修会場をテレビ会議システムなどで中継して行うこともできます。
集合研修のメリットは、
・1回でまとめて教育できる
・内部でできる内容であればコストが安く済む
・対面教育であるため個々の疑問が解決できる
といったものがあります。
一方で、
・全員を参加させるための日程や場所の調整が難しい
・外部に依頼する場合コストが高くなる
・様々なキャリアパスに応じて研修を用意することが難しい
などデメリットがあります。
集合研修を行う上で一番苦労しているのが参加させるための日程調整のようです。
一人ひとりに連絡をして参加可否の回答を待つのですが、回答が無い人も多く、聞いて回らなければならず負担が大きいようです。
次に、困っているのが、研修をできる講師がいない、会場がないということです。
一方で、集合研修は、普段、会うことが少ない社員同士が出会う場となり、研修を通じて、相互に刺激し合い、励まし合うことができ、仕事への意識や学ぶ姿勢を高める大きな機会となっています。
集合研修の準備事項と費用
①研修会場・機材の準備
研修を行うための会場とプロジェクター、黒板(ホワイトボード)などの機材の準備をします。
自社の会議室や研修室を利用します。
受講人数が少ない場合は、面談スペースで行うことができます。
自社内に会場がない場合は、貸し会議室などを利用します。
貸し会議室は、1日1万円~3万円くらいで借りることができます。
公共の会議室、シェア型の会議室は安く借りられます。
プロジェクターなどは、別料金で2千円~5千円ほどかかる場合があります。
教育は、キャリアステージ(入職1年目の新人、2年目の担当...など)別で行います。
例えば、入職1年目の新人と2年目の担当に対して、同じ内容の教育はできませんので、
会場も別々に用意しなければなりません。
②カリキュラムとテキストの準備
標準キャリアパスに即した研修カリキュラムとテキストを用意します。
市販のテキストを流用することもできます。
外部講師に委託する場合は、講師がテキストを提供してくれます。
市販のテキストなどは、1千円~3千円ほどです。
業界団体などでテキスト提供している所もあるようです。
③講師の手配または養成
研修を行う講師を手配します。
カリキュラムにもよりますが、研修内容が多岐にわたることが多いため、それらをカバーできる講師を探します。
研修などを専門で行っている機関・会社であれば対応できます。
社員を養成して、講師とすることもできます。
専門機関や会社に委託した場合、講師1名 1日5万円~20万円くらいとなります。
講師料にテキスト代が含まれている場合と含まれていない場合がありますので、確認が必要です。
個人のフリーランスの講師であれば、1万円~3万円で請け負ってくれる方もいます。
各地の中小企業診断士協会などに問い合わせれば、紹介してくれる場合があります。
弊社では、集合研修用の研修動画をご用意しています。
講師がいなくても、改正派遣法の求めるキャリア教育に対応した段階的・体系的教育を集合研修で行うことがができる動画教材です。
④受講者管理の仕組みの準備
派遣社員のキャリア教育は、有給で行わなければなりません。
受講時間に対して賃金を払わなければなりませんので、社員一人ひとりの出欠の管理、受講時間の把握をします。
出欠記録、遅刻・早退、途中退出の記録を管理するための名簿や記録簿を用意します。
⑤欠席者のフォローの仕組みの準備
体調不良などで受講できなかった欠席者に対する教育の扱いをどうするのか決めておきます。
次回研修への参加、別途フォロー研修の開催、eラーニングなど別手段の準備を検討します。
OJTのメリット・デメリット
OJTとは、On-the-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の略で、仕事を行う中で、スキルを高めるための実務的教育訓練です。
仕事を経験するだけでもスキルは高まりますが、OJTでは、あらかじめスキルアップのための教育訓練計画を立案します。
その計画に沿って実務的教育を行うのがOJTとなります。
派遣法でも、教育訓練計画のないOJTは、キャリア教育として、教育時間をカウントすることを認めていません。
実態として、仕事をする上での最低限のことを教えるためのOJTは、顧客側で実際に行われています。
しかし、それらの多くは、明確な教育計画がなく、その都度、教えるスタイルのため、派遣法のキャリア教育としてカウントがしにくいという問題があります。
顧客(派遣先)に協力を求める場合は、労働者派遣契約等において具体的な時間数や必要とする知識の付与や訓練等について記載しておくことが必要があります。
OJTのメリットは、
・実務における実践的な教育ができる
・派遣先でのキャリアアップに直結した教育となる
・顧客の協力があれば低コストで済む
といったものがあります。
一方で、
・顧客への依頼・調整がしにくい
・顧客主導となるため計画的実施が難しい
・顧客より費用負担要求があると高コストとなる
などデメリットがあります。
OJTは一部の業種を除いて、キャリア教育としてはできないとあきらめているところが多いようです。
上記のように、実際は、OJTは行われているけれど、キャリア教育としてカウントしにくいというのが実態のようです。
OJTは顧客の協力が不可欠ですが、顧客の協力を得てOJTを実施できているところでは、社員のスキルレベルが飛躍的に高まり、顧客側の社員とのコミュニケーションも円滑となり、仕事の品質や生産性が目に見えて高まっています。
また、社員の定着率も高まったという事例もあります。
OJTの準備事項と費用
①顧客(派遣先へのOJTの実施依頼
顧客へ派遣社員に対するOJT実施の依頼をします。
依頼では、以下の点をしっかりと確認しましょう。
・派遣社員のキャリアアップのための教育であること。
・あらかじめ教育訓練計画を立案し、教育訓練計画に沿った教育を行うこと。
・教育時間を記録すること。
教育の目的が仕事を行うための業務遂行力の獲得ではなく、派遣社員のキャリアアップという点が、顧客との認識差として問題となることがあるので気をつけましょう。
②キャリアアップに資する教育計画の準備
OJTの場合は、標準キャリアパスではカバーできないことが多いので、個々の社員毎にキャリアパスを作成する必要があります。
作成したキャリアパスに即したキャリアアップのための教育計画を立案します。
教育計画の立案では、顧客の協力が不可欠となります。
③OJT実施の日程と費用負担調整
教育計画に沿った教育を実施するための日程を顧客と調整します。
顧客側で、トレーナーを用意してもらう必要があります。
OJTを行う場合の費用負担について取り決めを行います。
費用負担については、以下の点について、顧客、派遣会社のどちらが負担するかを決めます。
A.OJT期間中の派遣社員に賃金の負担
B.OJTのトレーナーの賃金の負担
C.OJTで使う設備機器、会場、サンプルや試料などの費用負担
D.OJTの計画や記録管理のための管理コストの負担
派遣社員、トレーナーの賃金負担は、時給レベルとなりますが、設備機器、会場、サンプルや試料は、業界によっては、高額となる場合もあります。
④受講者記録管理の仕組みの準備
派遣社員のキャリア教育は、有給で行わなければなりません。
OJT実施時間の記録を管理するための名簿や記録簿を用意します。
eラーニングのメリット・デメリット
eラーニングとは、インターネットなどに接続されたパソコンやスマホを通じて、一人ひとりが個別に動画などの講義と理解度を測定するテストなどを受ける教育方法です。
eラーニングは、「動画などの教材」と「学習するための管理システム」で構成されています。
学習管理システムがあることで、一人ひとりの受講状況を追跡でき、受講時間や完了有無、テストの点数などがすべて記録され、進捗管理やデータ集計が簡単にできるようになっています。
eラーニングのメリットは、
・インターネットにつながる環境であれば、いつでもどこでも受講できる
・一人ひとりの多様なキャリアパスに対応した講座が用意されている
・受講日時、テストなどの定量的受講記録が自動で残る
といったものがあります。
一方で、
・一人で受講するため、受講率を高める手立てが必要となる
・情報機器に不慣れな人へのサポートが必要となる
・一方通行の教育のため個々の疑問の解決ができない
などデメリットがあります。
実際、eラーニングを使っているところの多くが受講率を高めることに一番苦労しています。
eラーニングは、個人任せで、何も強制力がないため、受講する人、しない人の差がはっきりと出てしまうのです。
一方で、受講率を高める手立てを根気よく行ったところでは、学ぶ習慣が醸成され、仕事においても意欲的に取り組む姿勢が高まったという事例もあります。
eラーニングの準備事項と費用
①学習管理システム(LMS)の準備
eラーニングで教育するためには、受講者を一人ひとりを管理し、受講者ごとに教材を再生したりするための学習管理システム(LMS)を用意しなければなりません。
自前で用意するとなると、サーバーとLMSを購入またはレンタルすることになります。
レンタルでの場合、サーバーとLMSで年額20万円~50万円以上となります。
当然、別途教材も必要となります。
数千人以上の派遣者社員数がいる会社では、自前で用意した方が安くなりますが、少ないところでは、教材とセットで人数に応じて課金提供するeラーニング・サービスの方が得になります。
②カリキュラムと講座の準備
標準キャリアパスに即した研修カリキュラムと講座(教材)を用意します。
自前で教材を作成する場合もありますが、eラーニング・サービス提供会社の用意している既成の講座を利用するところが多いです。
自社で作成した標準キャリアパスに即して、既成の講座(教材)を集めるのが、本来のやり方ですが、
eラーニング・サービス提供会社が用意している標準キャリアパス(またはカリキュラム)に合わせて教育しているところも少なくありません。
実際のところ、教育の経験者や専門家でない限り、標準キャリアパスを作成するのは難しいのが実態です。
ですから、標準キャリアパスも含めて提供してくれるeラーニング・サービス会社のeラーニングを利用しているところが多いです。
教材を自前で作成する場合は、1講座数十万円以上かかります。パワーポイントから簡単に教材を作成するツールを使えば、社内で教材を用意することもできます。
既成の講座を購入する場合は、1講座数万円~数十万円となります。
英語、中国語、ポルトガル語など多言語の教材も一部ありますが、キャリア教育に使えるものが少なく、自前で作成しなければなりません。
eラーニング・サービス提供会社のサービスを利用すると、サーバー、LMS、教材のすべてを提供会社が準備しており、受講人数応じた金額だけでeラーニングが利用できます。
費用は、受講者一人あたりの受講料が1千円から3千円ほどで、別途設定料などが1契約あたり5万円~10万円かかるところが多いようです。
業界団体などでは、会員向けに数百円の受講料でサービス提供しているところもあります。
弊社では、キャリアに資する教育計画と講座がセット済みのeラーニング「仕事塾Light」を提供しています。
③受講機器の準備または借用
eラーニングの受講には、インターネットに接続できるパソコンやスマホ、タブレットなどの受講機器が必要となります。
受講者個人のモノを使うことが多いようです。
受講者がパソコンやスマホを持っていない場合、または使うことを拒否する場合は、受講機器を用意し、貸し出す必要があります。
タブレットなどは、月額5千円~2万円ほどでレンタルされています。
④受講時間の集計と給与システムとの連携準備
受講者管理は、受講管理システム(LMS)がすべて行ってくれますが、社員一人ひとりの受講時間を集計して、給与システムへデータを入力する仕組みが必要です。
給与は、締め日と支払日が決まっていますから、締め日までの受講時間を集計して、給与支払いに間に合うように入力するための方法や体制づくりをしなければなりません。
⑤通信費の負担ルールの設定
eラーニングの受講のためには、インターネットへの接続が必要となります。
インターネットへの接続も受講者個人のスマホやWifiルーターを使うことが多いようです。
その場合、通信費を会社がどのように負担するのか決めなければなりません。
受講者個人のインタネットへの接続契約形態によって、費用は様々なケースがあります。
A.データ量無制限の定額制契約の場合、受講によるあらたな通信費は発生しません。
B.上限付き定額制の場合、受講によって上限を超える場合、新たな通信費が発生します。
C.従量制の場合、受講によって通信費が発生します。
受講時間8時間のeラーニングの受講にかかる通信費は、Bの場合、千円以下となることがほとんどです。
ステップ5 実施手順づくり
教育訓練の実施のタイミングを決めます。
派遣社員の入職のタイミング、頻度に応じて、年間の中で、1回とするか、数回に分散して行うか決めます。
教育訓練計画立案の手順を決めます。
新規入職者の場合、2年目以降の人の場合など、ケースごとの教育訓練計画の立て方を検討して決めます。
進捗管理の手順を決めます。
本部で行うこと、営業担当が行うこと、派遣先の現場にて行うことを、体制も含めて検討します。
記録の保管は、法律で求められています。
離職後3年間は保管するようにします。
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