5S活動の見える化の進め方と知恵の共有の仕方

知恵とガンバリと効果を見える化して共有しよう

5S活動をより良い活動とするためには、いまを見える化し、改善をしなければなりません。
5S改善に取り組んでいる人は、様々な知恵と工夫をしています。この知恵と工夫を互いに見せ合い、共有することで、一人では、気づかなかったことに気づき、できなかったことができるようになります。
成果を出す5S活動を進めるためには、今を見える化し活動そのものを改善して、一人ひとりの知恵とガンバリ、そこから生み出した効果を共有する取り組みをします。

＜目次＞
（１）活動の見える化
（２）刺激と知恵の共有

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（１）活動の見える化

「5S改善力を身につける」章で紹介しました。改善ボートを通じて、知恵と工夫、ガンバリ、効果を見える化し、共有します。
改善ボートでは、現在進行形で活動を見えるようにします。そのためには、目標及び各指標に対する実績や達成度を表やグラフなどによって表現します。
他の人が理解でき納得できるように見える化するためには、実績・達成度の数字を並べればいいというものではありません。その数字から目的や目標、活動の状態が目に浮かび、今、どのようになっているかイメージできるようにします。
実は、これは、他の人のためにやっていることではなく、自分たちの活動を客観的に自己評価する作業となり、主観や思い込みで進みがちな活動を、論理的で事実に基づいた活動に矯正することになるのです。人にわかるように整理することが、自分たちの活動をより洗練され、適正なものとすることにつながるのです。
事実に目を向け、客観的に評価する見える化ができれば、次は、その事実から自分たちの活動を振り返り、より良い活動へと改善します。
活動の見える化は、5S活動そのものを自ら改善するために行うものなのです。
活動の動きと進捗の見える化は、活動の停滞異常を浮かび上がらせて、活動を推進させるためのものです。
気づきと改善の知恵の見える化は、自ら出した気づきと知恵を繰り返し見ることによって、新たなモノの見方、捉え方、考え方などを忘れず、活かし続けるためのものです。
目標と活動の整合性の見える化は、目標に向けて活動が、ズレ、ブレ、ヌケなくできているか自ら確認し、修正し続けるためのものです。
自分たちの軌跡を残し振り返るは、改善が進んでく中で、過ぎたモノは忘れがちになり、経験が次に活かされないようなことにならないようにするためのものです。
活動の見えるかと共有

（２）刺激と知恵の共有

同じ仕事、同じような環境や体制の職場や人たちの活動は理解が容易く、そのまま使える改善案や事例があります。
仕事の内容や環境、体制が違うからと、見ること、聞くことを放棄していては、自分たちの成長はありません。
自分たちとは異なる見方、考え方、アイディアなどは、自分たちの改善や活動を見直したり、飛躍させたり、時には、しがらみを捨てるキッカケを与えてれる刺激です。
進化し、成長するヒントは、異質の中に隠れています。
改善ボートや活動の掲示板を通じて、知恵やガンバリ、効果を出したアイディアを公開し、共有します。
他職場のガンバリの刺激は、結果だけでなく、取り組みの過程での苦労や開眼事項を共有することで、その苦労・開眼が別の職場のガンバリ、改善を引き出します。
改善内容の公開では、改善案の「着眼点」も掲示し、異なる発想からの刺激と知恵の共有をはかります。
5S改善の事例は、業務別、課題別に整理してまとめ、知恵と工夫が次の人たちへと伝承されるようします。

5Sのレベルを診断する

自分たちの5S活動のレベルを診断してみましょう。
整理整頓といった5Sの「形」がどのくらいできているかチェックシートなどを使って評価します。
ルールを守っているか評価する上で「形」の評価は有効な方法です。
5Sのレベル診断では「形」の評価とともに「質」の評価もしましょう。
「質」の評価とは、5Sによってどのくらい仕事が良くなったか、効果があったかを評価することです。
診断によって、5S活動の問題点を洗い出し、改善を繰り返すことで、5S活動のレベルを高め、イマイチな活動から脱却しましょう。
5S診断の詳細はこちらの記事⇒5S活動の診断と取り組み改善の事例
前の記事⇒5S活動成功への道６成果を出す人づくりをめざす